詩「草いきれ」

夜通し降った雨
翌日はむせ返るような夏日で
青草が空を引き寄せる
きょう、わたしは世界そのもので
もうどこへ行くことも
またどこへ来ることもできないのだと悟った
みんな、生まれて来ることはもうできない
だからいつも今日が永遠なんだ
身支度を急がないで
わたしが生きるうち、わたしの細胞が、世界を流し続ける



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