詩「空と花瓶」

許すための毎朝
空の写真を撮るひと
歩道で うすい影を揺らす

散歩のとちゅう
花屋に寄って
青いスターチスを二本
白いスイートピーを一本
嬉しさのあとに
温かな悲しみがこみ上げる

こんなに心地いい悲しみで
ひとは
笑っていけたらいい

生かすための花瓶
そそがれる水の重さ
両手にひしひしと感じて

わたし 空を許そうとおもう
世界の広さも もう会えないひとも
悲しくないのになぜか泣いてしまう日も
ぜんぶ許して
生きていこうとおもう



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