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酔ひどれ船の珍道中|班女編


今回と次回はこれまでの酔ひどれ船の軌跡をお送りします。

■ 班女までのアレコレ

■ 宵待シアターLIVE、だと・・?

次回書く予定の「深海のオフィーリア」で2021年2月に初出航予定だった酔ひどれ船。

コロナ禍で同年6月にまさかの上演延期

そんな状況下、Facebookでお知り合いになった石本千明さんがこんな記事を書かれているのを発見!

元々、ご飯食べたりお酒とか飲み物飲んだりしながらお芝居を見てもらうという形態に興味があった西嶋。
こんな素敵な場所(しかも銀座!!!)にお客さまをご案内できるかもしれないなんて!とすぐ石本さんに連絡しました。

我ながら“行動力が服着て歩いてる”ような女です、本当に。笑

■ 没後50周年からハマったMISHIMA

石本さんにも即快諾してもらい、さて何を演ろうとなったとき、宵待シアターLIVEの会場である月のはなれ(月光荘)の成り立ちがふと頭をよぎりました。

大正6年創業の画材屋さんで文豪たちのサロン(社交場)でもあった月光荘。折角ならその雰囲気に合ったもの、と戯曲を探し・・見つけたのが三島由紀夫『近代能楽集』収録の「班女」。画家の女性が登場する、その人のアトリエが舞台の短編三人芝居でした。

前年の三島由紀夫没後50周年を記念したドキュメンタリー映画や舞台作品を見て、いつか挑戦したいと買って積んであった三島作品だったのもあり、これだ!と決定。

■ そうだ、朗読でやってみよう!

同じ劇団Q+の劇団員で出産を控えていた中原衣里さんと、入団時期が近くて仲も良い割に劇団の公演で絡む機会がなく。「出産前に何か一緒にやりたいねぇ」なんて話をしていた、そんな時期。折角なら朗読という表現に挑戦してみようということに。

男性キャストとして能勢拓弥さんにも加わってもらい、2017年に二人芝居でご一緒して以来の念願の共演も果たすことができました。

2017年「古書の町」懐かしすぎる5年前の写真を掘り起こしてみました笑

■ 三日前に出た宣言の衝撃

この公演で一番印象深い出来事といえば、やはりこれ。
まさかの公演日が宣言対象期間の初日だったのです。
会場と石本さんと、なんとか有観客で決行できないか、模索し続けた三日間でした。

結果として、会場が半屋外なのもあり、予定していた対策に加え、ドリンクなし・ワンプレートは持ち帰り提供にしてもらってなんとか上演。

半屋外での上演だったので、アトリエの庭みたいな感覚で。
本物の風と光を感じながらのお芝居でした。

念願の「お客さまに飲み食いしながらお芝居を見てもらう」は叶いませんでしたが、公演見送りも危ぶまれる中、上演できて本当に幸せでした。

一回きりの公演だったけれど、ベストなタイミングで木の葉がはらはら落ちてきたり。なんだか神秘的な空間でした。

■ 班女で得たアレコレ

初めての朗読ということで「深海のオフィーリア」関係で繋がりのあった山崎愛実さんに1ヶ月ほど個人的に稽古を付けてもらっていた西嶋。

舞台セットもない中、声と呼吸だけで場を成立させる難しさとやりがいに震える日々でした。

本番も手元に戯曲がある=カンペを見られて楽、ではないし。
(その場でその文章を見て、感じることがいっぱいでした。)

動かない=読むだけだから楽、ではなかった。
(読むだけでお客さまに自分たちの想像している世界を届けることの難しさよ・・)

こんなこと、演劇界隈の方には何を今更な話でしょうが。
朗読に挑戦したこの公演から、私の普段のお芝居での一挙手一投足に対する意識は少し、変わったように思っています。

なぁんて、未だについ目的もなく動いちゃうのですがね。

■ 班女を経てのコレカラ

宵待シアターLIVEは(飲み食いしながらお芝居見ていただく意味で)改めてリベンジしたいところです。

未だに月1回くらいで続けている愛実さんの稽古も継続して次の機会に活かしていきたいし、

衣里さんの産後復帰公演なんかもしたいなぁ。

今後とも不定期にぼちぼち更新していけたらと思いますので、是非また覗きに来てください(*´꒳`*)

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