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Suchmos活動休止でひとりのファンが思うこと



これは、ひとりのSuchmosファン、そしてひとりのミュージックラバーの個人的見解であり、Suchmosファンの総意ではないことをご理解ください。


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2月3日、Suchmosの一時活動休止が発表された。
ファンにとっても、青天の霹靂、寝耳に水、といった具合の唐突な発表。


「俺たちSuchmosは、
修行の時期を迎えるため、
バンド活動を一時休止します。」

というメッセージは、

「俺たちそれぞれのこれからをどうぞよろしく」

と締め括られていた。


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思えば、突然とはいえ前触れはあった気がする。
きっとSuchmosにとっても、ファンにとっても大きかったのは、コロナ禍によるライブの中止。
ユーミンやミスチルなどビッグゲストを迎え開催するはずだった対バンツアーは残念ながら今のところ実現していない。

それから、Suchmosのメンバーが毎週交代で出演しているラジオ、Jwave sparkにある時期からYONCEが出演しなくなった。先週の発表では10月ぶりにYONCEの出演が予定されていたが、その後変更されていて、ファンが少しざわざわしていたのは記憶に新しい。

それが本当に関係しているかは憶測の域を出ないが、何はともあれ活動休止という事実は変えようが無い。


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Suchmosの活動休止発表を受けて、TLでは「ショック」とか「悲しい」という声がされた。

まあ、気持ちは、分かる。
私も知らせを見た時は驚いたし、道端で「マジか」って声が出た。

でも、不思議と、ショックというよりは、納得が大きかった。

別に活動休止を予見していたわけではない。
むしろ、2020年の7月に新曲オンリーのライブを開催したばかりだし、昨年末にもレコーディングしてる様子が伺えたので、近いうちに新譜が出るのかな、とワクワクしていた。

それでもこの発表に納得したのは、彼らの哲学や、音楽に対する信念が確固たるものであることを感じているからに他ならない。
インタビューの中でも彼らは常に長くバンド人生を歩む上でどうしたら良いかを考えているのが伺える。


もうひとつ、私が大好きなSuchmosのキャッチコピーがある。


変わりつづける。変わらずにいるために。
KEEP CHANGING TO STAY TRUE


Suchmos 『THE ANYMAL』- 変わりつづける。変わらずにいるために。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=OmjSXZkWIzk&ab_channel=Suchmos


これは3rdフルアルバム「THE ANYMAL」のリリースの際に用いられていたキャッチコピーだ。彼らが言ったのか、はたまたレーベルの人が考えたのかはわからないけれど、Suchmosのバンドとしての姿勢をよく表していて私はめちゃくちゃ好きだ。

「THE ANYMAL」はSuchmosのこれまでの活動の中でも大きな転換点であったことは間違いない。「STAY TUNE」で築き上げてきたシティポップやアシッドジャズと言われるテイストとは打って変わり、プログレ的でサイケなロックを展開した。

正直、「THE BAY」や「THE KIDS」の曲調が好きだった人たちでも、「THE ANYMAL」をあんまり聴いてないという人もいるんじゃないかと思っている。なんて言ったってこの変化は、はたから見たら「以前のSuchmosは何処へ..?」と思ってしまうような大きなものだ。

でも、彼らの根っこの信念や、音楽に対する愛は変わっていない。むしろ、世間からどう思われようと自分たちのベストな音楽をつくりあげるという飽くなき追求からこそ、あの変化が生まれてきたのだ。


少し話が逸れてしまったけれど、今回の活動休止も、そうやって変わらない信念を突き進むために変わり続けてきたSuchmosの、決断の一つなのだと思う。

だから、そのうち修行が終わったら戻ってくるだろうな、と自然に信じているし、また新たなSuchmosのはじまりなんだな、とすら感じている。


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こうやって語ってきたけれど、正直、気になることはたくさんある。
ラジオはどうなるの、とか、夏にやったライブの新曲やレコーディングしてた音源は?とか、YONCE元気にしてる?とか。
聞きたいことはいっぱいあるし、できれば新しい音源だって浴びるように聴きたい。

でも、彼らの自分たちの音楽へのこだわりや愛はそれはもうよく分かっているし、彼らがこの決断をしたのなら、単純に、Suchmosとして活動するのは「今じゃない」というだけなのだろう。

むしろ活動休止を「お休み」ではなく「修行の時期」と称するSuchmosのストイックさを垣間見て、「Suchmos、好きだなぁ〜!」の気持ちがさらに大きくなった。

そういえば、TAIHEIは映画音楽に興味があると言っていたし、TAIKINGもコメントの中で「ギタリストとしても活動していきたいし、プロデュースもしたい、去年に発足したCONNECTION としても頑張りたいし、そしてソロのアーティストとしても活動してみたい。」と言っていた。

SuchmosやF.C.L.Sという枠組みに囚われずにメンバーそれぞれがどんな音楽を追求していくのかはとても興味があるし、いつかそれがSuchmosの音楽に還元されるなら、それはとても喜ばしいことだと思う。

TAIKINGはこの決断を「バンドにとっても、自分にとっても前向きな気持ち」と断言してくれた。だから私もこの発表を、ネガティヴではなくポジチィヴなものとして受け入れたい。

そしてただ待つだけじゃなくて、私自身も修行したいな、と思う。

私にとってSuchmosがくれたものは、彼らの音楽だけではなくて、音楽カルチャーへの愛そのものだ。彼らはラジオやインタビュー、あるいは彼らの音楽を通してグッドミュージックを伝えてくれていた。その曲やアーティストはもちろんのこと、音楽を愛して貪欲にDigし続けていく姿勢にめちゃくちゃ共感したし、影響を受けた。

だから、この活動休止期も、自分なりにいろんな音楽やカルチャーをDigって、さらに深い音楽の海に飛び込んでみようと思う。

Suchmos、いつもありがとう。
いつかまた、ステージで輝く姿を見れることを願っています。

今日はLife easy聴いて寝ようかな…



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