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AIはサイコロ

#AIの活かし方

 「10時に梅田、紀伊國屋ね」
 あの頃は携帯もなく、寝坊したら会えなかった。就活の資料請求はFAXかはがき。そんな世代の私が90年代、インターネットに初めて触れたときの感想は、「これ、皆が使うようになったらめっちゃ便利なのでは?」というものでした。
 画面の向こうに人間がいて、瞬時に会話ができる便利さ。モデムの音。掲示板、メール、チャット、ググるという言葉の誕生。あっという間にネットは世に広がりました。今は昔ですよね。
 とはいえ、しばらくは「ネットを使わない自由」もあったように思います。一部の仕事や暮らしにWebは必須になったもの、携帯しか持たない人もいたはず。今も中高年以降はそうかもしれないですね。
 若い方はたぶん無理。ネットツールは学校に浸透してきて、私の子供たちが中高生のころ、LINEで部活の連絡をするようになり、スマホを持たないという選択肢は難しくなっていきました。その流れでデジタルネイティブが育ってきたし、親世代もスマホを使うようになった。今もパソコンを使わない人はいるでしょうが、多くの人はスマホをポチポチしています。
 そして! AIの登場です。パチパチ。データの管理や解析、インプットアウトプット。AIはここから多方面のいろんなニーズに応えていくのでしょうね。chatツールも面白い。でも残念ながら、私はすぐに飽きました。人間と話すほうが楽しいから。
 義務ごとや遊びをラクにこなすためのツールとしても私には使えそうにない。自分の代わりに絵を描いてもらう、文章を考えてもらう人もいるのでしょうけれど、創作そのものが娯楽である私にとっては、その使い道はないかなあと感じています。例えば、編み物が好きなのに、誰かに編んでもらうのは面白くないですよね。絵も自分で描きたい。文章も自分で書きたい。
 私にとっては、そうですね、AIはサイコロになりそうです。トランプ占いみたいな感じ。編み図のヒントをもらうとか、レシピのアレンジを提供してもらうイメージ。会話の相手や共同作業者ではなく、シャッフルで創作のヒントを出してくれるロボット。そんなふうに付き合っていきたい。noteの「お題」みたいなものですね。
 これは私がアラフィフ世代であり、ここまで蓄積してきたデータが少なからず脳内にあるからかもしれない。料理をアウトプットできる技術と経験はある程度持っているので、レシピのヒントが欲しい。そんな感じ。AIサイコロをシャカシャカ振って、コロッと転がして出目を参考にさせてもらいたい。なくてはならないほど依存しそうにはないですが、そこそこ便利なグッズになってくれることでしょう。
 とか言いつつも、ある日突然、AIサイコロがパカっと割れて中から魅力的な何かが出てくるかもしれないですね。ちょっと楽しみ。そのときは付き合い方を柔軟に変えて、都度楽しんでいけたらいいなと思います。


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