妊娠と腫瘍 4

妊娠と腫瘍 4

予定日を3日すぎた頃
陣痛がきて、
無事、3952gの男の子を
出産することができた。

腫瘍のことも、長女の夢のこともあり
不安でいっぱいの妊婦生活だったが
元気な子か生まれてくれて
心から嬉しく、3回目の出産にして初めて
涙がでた。

なにより、
大きく逞しくお腹で育ってくれていて
今までの不安を一瞬で吹き飛ばしてくれた。

久しぶりの新生児は
とにかく可愛くて、小さくて尊かった。

出産して3日目、
授乳も慣れてきた頃、
急激に腫瘍が大きくなり固くなった。
あまりの痛さに痛み止めを常時服用するが
全く効かず、
触るのはもちろん寝転がるのも痛いため
全く眠れなくなってしまった。
助産師さんに相談するも
今までこんなのは見たこともなく、
ただひたすら耐えるしかない、
拷問のような時間だった。
誰でもいいから助けてほしいくらいの痛みで
痛みで涙が流れてくるし、
出産直後で身体は疲れているのに
休むことも寝ることもできず、
ひたすら冷やしてみたり
授乳の仕方を変えてみたりしても
かわらなかった。

あまりにも辛かったので
かかっている大学病院に電話したが
日曜日だったので担当医もおらず、
今病院に向かったところで痛み止めを処方するしかできないと言われ絶望した。

助産師さんも先生も見兼ねて本当にいろいろ試してくださったが、どうすることもできず
効かない痛み止めを飲むしかなかった。
退院まであと2日だったが
上の子達に会いたい気持ちと
寝転がれもしない状態でもちろん抱っこもできなくて、ということを想像したらそれすら辛かった。

助産師さんとの話で、
授乳によって乳腺が発達したのが原因だと考えたら(あくまで仮定)
今できるのは2択で
・副乳のように授乳していけば徐々に落ち着く場合もあるのでこのまま冷やして授乳を続ける。
・母乳を止める薬を飲んでみる。

ただ母乳を止める薬を飲むともう2度と授乳することはできなくなる。
その上でどうするか、ということだった。

なかなか決めることはできず、
初めは授乳を続けながら落ち着くのを待とうと思っていたが、
2日間一睡もできなかったのと、
日に日に痛みも増して辛くなってきて
精神的にも肉体的にも限界だったので
結局退院の日に
母乳を止める薬をもらうことにした。
すぐに止まるわけではなく、
徐々になのでその間は絞っては捨てを
繰り返し、だんだん出なくなるのを待つという感じだった。

飲んで家に帰ると
5日ぶりの娘息子に会えて嬉しかった。
腫瘍のところは痛かったが、
産婦人科にいる時よりも気が紛れた。
夜寝るのも実母と夫の力を借りて
なんとか1.2時間休むことができた。

そして大学病院には最短の予約で
取り直し、
退院から3日後に受診することができた。
その頃にはおそらく乳腺の発達も落ち着いてきて痛みもピークよりかなり落ち着いた。

その後初めてMRIを撮り、
手術の日程を1か月後にしてもらえた。
(良性腫瘍であることと、乳腺の発達が完全に落ち着いてからの方がいいという判断)



↑MRIの結果。
左端の白部分が全部腫瘍。

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