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お姉さん・お客様 まとめ


色んなお姉さんがいたけど、覚えている人は本当に少し。ほとんど忘れてしまった。

ママは毎日着物に夜会巻き。お酒は飲めなくてもお店を持ったすごい人。
色っぽいとかきれいとかではないけど、明るく元気で包容力がある女性。

京香さんはチーママで、華奢で可愛いホステスって感じの雰囲気。
優しくて可憐な感じだった。

30代後半くらいの古株のお姉さん、ちかさん。ガリガリでふわふわのロングヘアー。
綺麗な派手な顔立ちで、いい人なんだけど、客席に付くときに毎回古い決めセリフ?を言う人だった。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!ちかですー!」
あー、文字にするだけでも恥ずかしい。笑

30代前半のお姉さん、ちはるさんにしょうこさん。
ちはるさんはずっとホステスでワンコ2匹と住んでいて、ちょっとぶりっ子。
可愛がってもらったけど、いつも精神安定剤を飲んでいた。

しょうこさんは、ホステス歴は短くて、前世が見れる(らしい)おとなしくて線の細い人だった。
おさがりでもらったスーツが衝撃的にダサかったから覚えている。笑

20代後半はミカさん。
正直、容姿は…ってかんじで、酒乱。よくベロベロになってママに怒られていた。カラオケに行くと「河内のおっさんの歌」を毎回歌うという強烈なキャラで、普段はほぼ話したことはないほど、大人しい性格の人だった。

あとは嘘をついていたゆうさん。ちょっとがっしりしていたけどきれいな人だった。

それくらいしか覚えていない。

クラブではないから、正直それほど容姿端麗な人がいたわけではないけど、
私の感覚としては、大阪では綺麗なことより、面白いことが大事だったように思う。
面白く話す、面白くかわす、何でも面白くないと売れない感じがした。

お客様はというと…
指名が無かったから、実はほとんど覚えていない…

一人、常連の弁護士の先生を覚えている。
私が辞める時にママと一緒にごはんに連れて行ってくれた。
ママに言われるがままに、私にプレゼントを買ってくれて、車で送ってくれた。
車の中にものすごい量のWe●dがあってびっくりしたし、人生で初めて乗ったベンツだったから記憶に残っている。
その人についてはほとんど覚えていないし、何をしゃべっているのかいつもわからなかった。笑

以前に話した最初の同伴のお客様以外にも、同伴に連れて行ってくれた人はもう二人くらいいた。
一人は東京からの出張の人で、アフターにも行ったことがある。
もう一人はふぐを食べに連れて行ってもらって、人生初の白子を食べた。
が、驚くほどに、ほぼ覚えていない。

もう一人だけ記憶に残るお客様がいる。
お客様の接待相手の団体さんの中の20代の男。
うちのお店には30代ですら珍しく、20代はほとんど見たことがなかった。
若いお客様には若いホステスを。ということで隣につけられた。

既にベロベロで、何を話しているかもわからず、ただただ絡まれ、
ありえないことに、ふいをついて唇にチューされたのだ。
普通に客席で…

さすがにこれはありえない。後にも先にもこんなことはない。
迫られること、触られること、唇以外にされること、陰でこそっとせがまれることは、そんなことはあっても、ふいをついて唇に…ありえない。

私はびっくりしすぎて、トイレに逃げ込んで、
気持ち悪くて、悔しくて、腹が立って、涙が止まらなかった。

と、変なことは記憶に残っているのに、お客様のことをほとんど覚えていない。

誰かの記憶に残るということは、共有する時間の長さとインパクトが大きく関係するし、夜の世界の関係は夢の中の出来事で、普通の記憶とは違うものなのかもしれない。
もしかすると、咲を影の存在として隠すために、私が無意識に記憶を消したのかもしれない。

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