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最後の危機(前半)

もう1話だけ、このお店での最後について書きたいと思う。

色々と限界だったけど、結局逃げることもできず、
学校卒業で地元を離れるタイミングを待つしかなかった。
お金をとられ脅されながら、やっと最後の日を迎えた。

最後の日はお店の面倒見屋さんが来てくれるという!
私なんかのために皆さんで来てもらえるなんて!と、とても嬉しかった。

お店を閉めた後、皆様の事務所に場所を移しみんなで鍋パーティー。
いずみさんやもう一人私と入れ替わりで入った女の子、ママと一緒にお邪魔した。

トップのその人は地元では有名な人。
周りには一瞬であちらの方と分かる感じの人ばかりだったけど、
その人はいつも優しい紳士でトップとしての風格と威厳がある人だった。

餞別に当時大流行のスーパーコピーのブランド品wをたくさん頂き、
たのしくおいしくお鍋を頂き、最後は悪くなかったかも!そしてやっと解放される!と、テンションも上がっていた。

そろそろお開きということで外へ出た。

ママが「親分さんと一緒にコーヒー飲んできな。」と言った。

はい?私ですか?!
恐い恐い!てゆーか、何歳?!(40歳くらい上だった…苦笑)
こんな田舎でこんな時間にコーヒー飲む人いないし、一番近いのはファミレスだし、車で30分もかかるし!

確実に…

はい。ママはまた売ったのです。
この時はお金はもらっていないと思うけど、いつものお礼に私を上納。

焦った私は断ることが出来ず、なぜか「自分で運転します!」と言っていた。笑
運転されたら逃げられないと、とっさの判断だった。

何だかよくわからないうちに、とてつもなく恐い人を助手席に乗せ、
30分もかけてファミレスへ行くことになった。

今こうやって文章にすると笑ってしまう話だけど、その時は死ぬほど恐かった。あちらの世界の方の話はたくさん聞いていたし、命の危険やレイプの話は身近にあったから本当に恐かった。

そして私は、この人はこんな子供と夜中にコーヒー飲んで楽しいのかと普通に心配しながら、車のエンジンをかけた。

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