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まとめ:むかし、かぞく、じぶん

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昔の話、家族の話など、プライベートな話を中心に。できるだけせきららに、でも不快にならないように、書きました。
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#成長

#088.成長を見守る。

子どもは種だ。 花が咲き、実をつけるまでは 何の植物かわからない、 そんな種だ。 土に植えて水をやり、 陽に当てて土を替え、 手入れして声をかける。 少しぐらい、周りの者より 芽が出るのが遅いとて、 茎が曲がっていようとて、 いつかは見事な花が咲く。 茄子に胡瓜になれと、 薔薇に向日葵になれと、 言ったところで詮無きこと。 私たちにできることは、 その種に込められている 命の原型をゆがめぬよう、 手をかけ、見守ることだ。 今を生きる子どもら

#064.傷つくことに意味はあるか。

「ねぇパパ、なんか足痛いねんけど」 枯れ木のように細い足をさすりながら、家から離れた中学校に通う次男がいう。 「それは、お前がいっぱい歩いたからや」 バスと電車を乗り継ぎ、学校までの道を一生懸命歩いている。 普段、ほとんど運動しない彼だから、なんてことない距離を歩くだけでもかなりの負荷がかかるのだ。 「筋肉痛やな」「筋肉痛って?」 筋肉はな、いっぱい使ったら傷つくねん。炎症起こすから痛いねんけどな、休んだら修復して、前より強くなんねん。 ほんでな、どんどんカラダ