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かつて阿佐ヶ谷住宅という素敵な団地があった

Kodak ULTRA COLOR / Nikon F80D NIKKOR EF 18-55㎜

今から15年ほど前。自分の中で”団地ブーム”というものが沸き起こっていた。中でも、この阿佐ヶ谷住宅という、見た目はおよそ団地というよりアメリカンハウスと言ったほうがいい瀟洒な集合住宅の存在を知り、真冬の晴れた日に一人撮影に向かった。

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竣工が昭和33年。一般家庭にはまだ水洗式トイレは普及しておらず、家風呂は贅沢品。国民の死因の10位以内に肺結核が入る、という時代に、このコンクリート造の集合住宅群の出現はかなり異質だったと思う。戦後たった13年だぞ?

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南国っぽい植栽。これは後年だいぶ経ってから植えられたものなのか、当初から植えられたものなのかは不明。
真夏に来ていたら、きっと緑でむせ返るような景色だったのではないか。

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号棟の数字にわざわざモザイクタイルを使うところに、贅を感じる…。

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他にも1組、撮影に来ていた組がいた。植え込みに造花?を飾って撮影していたんだが、一体何だったのだろうか…。
でもこの44号棟がやっぱり一番良いよな、うん。

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Wikipediaによると、解体が始まったのが2013年。これを撮影したのは2007年だったが、その時点で既に退去した居室のほうが多かった。

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ネガを整理していると、東急と銀座線が地下に潜る前の渋谷駅だとか、建設途中のスカイツリーだとか、ただのスナップなのに、もう二度と見られないものを無意識に撮っていたんだなと気付く。写真って、撮った瞬間にもう”過去の記録”になってしまうんだな。大昔の人が言う、”撮られると魂が抜かれる”という気持ちも分からないでもない。

そして、いつアップするかは一切不明ですが、赤羽団地のスターハウス群もいつかアップします。


最後までご覧頂きありがとうございました。