見出し画像

『ファイナルファンタジーⅡ』は従来なかったゲーム

ファイナルファンタジーⅡ』(1988 FC)
は従来存在しなかった唯一のゲームでした。

ファイナルファンタジーⅡ
には職業や経験値という考え方がなく、
「基本的には、使った能力が成長するという考え方で、
それぞれの成長のシステムが作られてい」て、
「武器や魔法を使えば使うほどそれぞれの熟練度が上がり、
それに従い絶大な威力を発揮する様になっていま」した。

確かにこのような成長システムを採用しているRPGは
ファイナルファンタジーⅡ』よりも以前に、
ファミコンでは登場していません。

しかし、
ファイナルファンタジーⅡ
を従来のRPGと比較してはいけません。

なぜなら『ファイナルファンタジーⅡ』は「RPG」ではなく、
「PRG」なのですから。

ゲームにおいて、
「PRG」というジャンルのゲームを探すのは大変困難で、
有名なところでは
METAL MAX』(1991 FC)
くらいしか見つかりません。

しかし、
METAL MAX』は1991年発売で、
『ファイナルファンタジーⅡ』は1988年発売なので、
METAL MAX』は『ファイナルファンタジーⅡ』が想定している
「従来のPRG」には該当しません。

PRGについて調べてみたところ、
ファイナルファンタジーⅡ』よりも前に発売された
PRGが一つ見つかりました。

魔夜峰央先生がキャラクターデザインをしている
エリュシオン』(1988 FC)
は1988年4月28日に発売されているため、
1988年12月17日に発売された
ファイナルファンタジーⅡ』よりも前に発売された
「従来のPRG」のようです。

エリュシオン』の取扱説明書を見てみると、
職業の概念はなさそうですが、
経験値の存在が確認できるため、
確かに『ファイナルファンタジーⅡ』とは異なる「PRG」のようです。

ところが『エリュシオン』の取扱説明書を更に読み込んでみると、
どうやら『エリュシオン』は本当のところ、
「PRG」ではなく「RPG」だったようです。

ファイナルファンタジーⅡ』が比較対象にしていたはずの
「従来のPRG」は実は存在せず、
その意味でもファミコン版『ファイナルファンタジーⅡ』は
従来存在しなかった唯一のPRGとして、
今でも君臨し続けているのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?