【短歌連作】ブレス・ユー

白昼夢 既に姿を変えていて手放してしまう夢を見ている

心臓の位置わからない ただ怖い 走ったときにだけわかります

手遅れになって初めて泣くんだねカーテン越しに笑顔の天使

白いのはわざとらしいと思う もう既に壊れている朝の夢

背理法は便利私はロボットではありません ほら スーパー悪手

バキバキの/摩耗したファースト・キスの/スマホ /バキバキにされたスマホ

救われたら終わってしまう幽霊が怖い間はおれは死なない

地に足をつけて飛び方を忘れて、ふわふわ浮く頭 に気をつけて

かさぶたに口づけを手向けに花を 治癒の速度で蘇るから

倍速で見る走馬灯 加速する 仮足 最大風速で飛ぶ

唇の動きを追えば い・の・り・か・た・を・お・し・え・て・あ・急に抱きしめられる

世界中が広告みたいって言葉が リフレイン そっちはまだ暗い?

ending and you  まだ続くらしい具体的には何も言えない

手の中で割れた卵は孵らずに 命よどこに、いややっぱいい

被写体が自然に笑う 逆光がそうか、防潮堤はもうない

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