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内輪鴨南蛮と鍋島(生原酒)で朝食


店で仕入れた鴨は使い良いように下拵えをするが、その時に余る皮の部分は油を取るために火にかける。弱火で辛抱強く待つと、次第に味が縮んで来る。同時にナッツのような香ばしい匂いが立ち込め始め、もうしばらく経つと油の抜け切った身が黄金色に色づき始める。これをザルですくえば鴨油の完成なのだが、油のだしがらも捨てはしない。

これの揚げたてに軽く塩胡椒したものはカリカリサクサクした歯触りと、ジュワーっと舌に滲む油の旨味が最高に旨い。思わず量食べそうになるが中年体には厳しそうなカロリーなのでそこそこに辞め、冷ましてから冷凍庫で保存する。

これは出汁やラーメンスープに入れると良い味を出してくれるので重宝するし、そのまま食べてもそれなりに旨い。

昨日、配偶者が店から余った蕎麦を持ち帰って来たので、朝食にするのを楽しみに寝た。空腹で目を覚まして蕎麦を茹で、鴨の油入りの出汁を温める。

できればフライパンでネギを焼いて乗せたいところだが忙しい朝、そんな事している余裕はないだろう。代わりに万能ネギを切って茹で上がった蕎麦に乗せ、出汁をまわしかけて完成だ。

ズズーとすすって、ああ旨い。

一気に食べ進むと、油と短い蕎麦が腕の底に残っている。こういうのをチビチビ食べながら酒を飲むのが至福なんだよなぁ。と思いついたら堪らなくなり冷蔵庫から生原酒を選びお猪口に注ぐ。鴨にも当たり負けしない強い酒に力をもらった朝だった。(早朝飲酒を体よくまとめました)

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