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#38 石川県について

今回の問題

生産地・石川県について述べよ。

自分の回答

200字回答

石川県は、豊臣秀吉が花見で飲んだという「加賀の菊酒」でも知られる、古くからの酒どころである。江戸時代後期には能登杜氏が誕生し、近年では能登杜氏四天王をはじめ、多くの能登杜氏が各地の酒蔵で活躍している。金沢で分離された金沢酵母は、きれいな酸味と滑らかな口当たりが特徴で、きょうかい14号酵母として頒布されている。2005年に「GI白山」が指定された。県開発の酒米には、石川門や百万石乃白がある。(196字)

回答の要素

概要
豊臣秀吉が花見で飲んだ「加賀の菊酒」で知られる、古くからの酒どころ。
江戸時代後期には能登杜氏が誕生。能登杜氏四天王をはじめ、多くの能登杜氏が全国各地で活躍している。
金沢で分離された「金沢酵母」は、きれいな酸味と滑らかな口当たりが特徴で、きょうかい14号酵母として頒布。
2005年に「GI白山」が日本酒として初めて登録された。

酒米について
県開発の石川門、百万石乃白がある。
酒米は移入依存タイプ。

回答の構成

・加賀の菊酒
・江戸時代後期:能登杜氏、四天王、全国
・金沢酵母:きれいな酸味と滑らかな口当たり、14号酵母
・2005年「GI白山」
・石川門、百万石乃白

回答の補足

能登杜氏四天王は、以下の四名。
 ・波瀬正吉氏:土井酒造場(静岡県)「開運」
 ・三盃幸一氏:桝田酒造店(富山県)「満寿泉」
 ・中三郎氏 :車多酒造(石川県) 「天狗舞」
 ・農口尚彦氏:鹿野酒造(石川県) 「菊姫・常きげん」
波瀬正吉氏は「静岡酵母HD-1」の育ての親であり、HD-1 の "H" は波瀬のHとのこと("D" は蔵元の土井清幌氏)。そして、『夏子の酒』に登場する山田信助杜氏のモデルでもある。

「石川門」は正式名「石川酒52号」で、一本〆(五百万石×豊盃)と予236(五百万石×フクヒカリ)を親にもつ。五百万石の影響を大きく受けており、出穂期・成熟期も千粒重もほぼ五百万石と同じ。

石川県農林総合研究センター (閲覧2023) より
石川県農林総合研究センター (閲覧2023) より

一方の「百万石乃白」は、正式名「石川酒68号」で、山田錦と05酒系83(ひとはな×越淡麗)を親にもつ。出穂期・成熟期も千粒重も、五百万石と山田錦のちょうど間あたりに位置する。

石川県農林総合研究センター (2018) より

関連
#22 静岡県について
#42 杜氏について

他の回答

先人たちの回答

石川県は太閤秀吉が花見で飲んだという「加賀の菊酒」を造ったとされる、古くからの酒どころである。江戸時代後期には能登杜氏が誕生し、現代では三大杜氏に続く杜氏流派として認識されている。金沢で分離された「金沢酵母」は、きれいな酸味と滑らかな口当たりが特徴で、きょうかい14号酵母として頒布されている。山廃造りに力を入れている酒蔵が多く、しっかりした酸味や旨味のある酒質にも定評がある。酒米輸入依存タイプ。

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 128,129
映画『一献の系譜』公式サイト, 映画のこと, 閲覧2023年10月5日
日本酒コンシェルジュ通信, 私たちは忘れない… 波瀬正吉翁の記憶〈酔いの余白〉, 2018年7月11日, 閲覧2023年10月5日
石川県, "「石川門(石川酒52号)」について", 2020年12月16日, 閲覧2023年6月11日
石川県農林総合研究センター, 酒米新品種「石川酒52 号」の育成, 閲覧2023年6月11日
石川県, "石川県オリジナル酒米品種「百万石乃白」", 2023年3月28日, 閲覧2023年6月11日
石川県農林総合研究センター, 水稲酒米有望系統「石川酒68号」の育成, 石川県農林水産研究成果集報, 2018, 第20号

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
※ 内容に間違いがある場合があります。ご指摘いただけると幸いです。


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