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#02 セルレニン耐性酵母について

今回の問題

セルレニン耐性酵母について説明し、あなたの意見を述べよ。(2018年)

自分の回答

200字回答

セルレニン耐性酵母は、リンゴ様の香り・カプロン酸エチルを多く生成する酵母で、「香り酵母」とも呼ばれる。1990年代中期に全国に広まった。代表的な酵母として、アルプス酵母やきょうかい1801号、CEL酵母が挙げられる。香り酵母は全国各地で開発されており、地域色を打ち出したものも増えている。フルーティーで飲みやすいため、新たな消費者が日本酒を飲むきっかけとなる可能性がある。(186字)

回答の要素

セルレニン耐性酵母とは
リンゴ様の香り・カプロン酸エチルの生成量が多い酵母。
別名「香り酵母」とも呼ばれる。
カプロン酸エチルの前駆体・カプロン酸を生成する脂肪酸合成酵素を阻害するセルレニンに耐性がある。
代表的な酵母は、アルプス酵母やきょうかい1801号、CEL酵母。
1990年代中期に全国に急速に広まった。

あなたの意見(今後の展望)
全国各地で香り酵母が開発され、地域の特色を打ち出している。
フルーティーな香りは初心者にも好まれ、日本酒を飲むきっかけとなる可能性がある。

回答の構成

・カプロン酸エチル、香り酵母
・1990年代中期
・アルプス酵母、きょうかい1801号、CEL酵母
・全国各地、地域色
・フルーティー、初心者

回答の補足

カプロン酸エチルはりんごの香りだが、その前駆体 (化学反応によって生成される一つ前の物質)であるカプロン酸はヤギの汗みたいな香りがするらしい。

カプロン酸にエタノールが反応することで、カプロン酸エチルが合成される。

 カプロン酸 + エタノール → カプロン酸エチル

カプロン酸は脂肪酸の中では炭素数が少なく、作るのが難しい。多くの酵母はカプロン酸よりも3倍ほど大きな脂肪酸しか作ることができないらしい。

熊本県畜産協会(閲覧2023年)

すごろくと同じで、マス目ちょうどに着地しないとゴールにならない。酪酸で止まってもダメだし、カプリル酸まで行きすぎてもダメ。そんなピンポイントな酵母を探し出して分離したのが、まさに「セルレニン耐性酵母」の発見であった。

他の回答

先人たちの回答

セルレニン耐性酵母はリンゴ様の香り「カプロン酸エチル」を大量生産する酵母で、別名「香り酵母」だ。カプロン酸を生成する脂肪酸合成酵素を阻害するセルレニンに耐性がある。吟醸香を強く発生させ、酸度が低いところが特徴だ。代表的な協会酵母としては1801号がある。当初はセルレニン耐性酵母を使用した酒は夏を越せず香味のバランスを崩していたが、低温貯蔵や低温輸送が徹底されることで問題をクリアした。
※ お題は「セルレニン耐性酵母について」

すしログさん
https://sushi-blog.com/sakelog/sake-diploma-essay/

セルレニン耐性酵母は、従来の酵母と比較してカプロン酸エチルの生成量が多いことを特徴とした酵母である。代表的なものとして「アルプス酵母」が挙げられる。1990年代中期に全国に急速に広まった。カプロン酸エチルは吟醸香の成分の1つで、熟れたリンゴ様の香りをもつ。そのためセルレニン耐性酵母を使用した日本酒はフルーティな香りを持つことが多く、普段日本酒を飲まない消費者が日本酒を手に取るきっかけとなる可能性がある。

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 20
野尾 正昭, 酒の科学―違いがわかる「酒」学入門, 講談社ブルーバックス, 1996
熊本県畜産協会, 表5 脂肪酸の種類とその所在, 閲覧2023年6月21日

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
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