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#31 秋田県について

今回の問題

生産地・秋田県について述べよ。

自分の回答

200字回答

秋田県は全国トップクラスの成人1人当たり日本酒消費量を誇り、生産量も全国5位で「美酒王国秋田」と名乗っている。県立の醸造試験場を持ち、秋田流花酵母AK-1がきょうかい1501号酵母として頒布されるなど、酵母や麹の開発も進んでいる。きょうかい6号酵母も県内の蔵から分離された。秋田酒こまち、美郷錦など酒米の開発も盛んで、近年では一穂積や百田も登録された。酒米は概ね自県産で酒造りを担う自給自足タイプ。(199字)

回答の要素

概要
全国トップクラスの成人1人当たりの日本酒消費量。
生産量は全国5位で、「美酒王国秋田」を名乗っている。

酒米や酵母について
「秋田酒こまち」「美郷錦」など酒米の開発が盛ん。
2022年には、「一穂積」「百田」も新しく登録された。
県立の醸造試験場を持ち、秋田県開発の「秋田流花酵母AK-1」がきょうかい1501号酵母として頒布されている。
きょうかい6号酵母も県内の蔵元(新政酒造)から分離された。6号は現在頒布されているきょうかい酵母の元祖とも言われる。
酒米は自給自足タイプ。

回答の構成

・全国トップクラスの成人1人当たり日本酒消費量
・生産量全国5位「美酒王国秋田」
・県立の醸造試験場
・秋田流花酵母AK-1 (きょうかい1501号)
・きょうかい6号酵母
・秋田酒こまち、美郷錦、一穂積、百田
・自給自足タイプ

回答の補足

きょうかい6号酵母(新政酵母)は、1935(昭和10)年に「新政」の醪から分離された。発酵力が強く穏やかで澄んだ香りがあり、淡麗な酒質になる傾向がある。

秋田流花酵母(AK-1)の読み方を「あきた・りゅうか・こうぼ」だとずっと思い込んでいた。でもよく見たら「あきたりゅう・はなこうぼ」。この読み方の裏付けを探すのに苦戦したが、やっと論文を見つけた(斎藤 他 1994)。

斎藤 他(1994) より。赤線は筆者による加工

名前に「花酵母」と付くものの、その経緯は「秋田県内の酒造工場の酒母及び醪から分離した925株の酵母」から、高カプロン酸エチル生産かつ低生酸性の株を選抜し、その泡なし変異株を取得したものである(斎藤 他 1992, 斉藤 他 1994)。花酵母じゃないじゃん。ちなみに高カプロン酸エチル生産ではあるが、セルレニン耐性はない。

県の醸造試験所(現 秋田県総合食品研究センター)があるからか、酒米開発も酵母開発も積極的である。美酒王国秋田ガイドブック から酒米と酵母の一覧を引用させていただく。

美酒王国秋田ガイドブック(秋田県2017)  より
美酒王国秋田ガイドブック(秋田県2017) より

他の回答

先人たちの回答

秋田県は全国でも1,2位を争う日本酒消費量を誇り、生産量も全国5位である。「美酒王国」を名乗っている。「秋田酒こまち」を始めとする酒米を開発している。また、県立の醸造試験場を持ち、秋田県開発の「秋田流花酵母AK-1」がきょうかい1501号酵母として頒布されるなど、酵母や麹の開発も進んだ酒造技術先進県である。県内の蔵元から6号酵母が分離された歴史もある。酒米は自給自足タイプ。

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 114,115
斎藤 久一, 渡邉 誠衛, 田口 隆信, 高橋 仁, 中田 健美, 岩野 君夫, 石川 雄章, アルコール脱水麹を用いる培地による優良酵母の分離とその性状, 日本醸造協会誌, 1992, 87 巻, 12 号, p. 915-921
斎藤 久一, 渡邉 誠衛, 田口 隆信, 高橋 仁, 石川 京子, 中田 健美, 佐無田 隆, 岩野 君夫, 石川 雄章, 秋田流・花酵母「AK-1」による清酒実地醸造試験, 日本醸造協会誌, 1994, 89 巻, 11 号, p. 906-912
秋田県, 美酒王国秋田ガイドブック, 2017, 閲覧2023年10月11日

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
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