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寝坊する若手社員

他部署のグループリーダーの方からこんな相談をされました。2年前に入社したA君が寝坊が多くて困っている。
どうしたらいいか?という相談でした。


A君はまだ大学生気分が抜けてないのか寝坊が多い。
月に10回前後の寝坊をしてくる時もあるし、
本人も大して悪気がないのだそうです。


そんなA君に対して、グループリーダーの方は何度注意しても治らないと嘆いていました。

「Aのやつ、どうして寝坊が治らないのかなぁ。いっその事、評価を思いっきり下げて自覚させてやろうか。」


私は言いました。

「そんな事したら、彼の態度はもっと悪くなりますよ。
むしろA君に責任を持たせてみてはどうですか?」


そのグループリーダーは初め、半信半疑でしたが、
私が言った通りに責任ある業務を彼に任せてみました。


数週間後、そのグループリーダーが、また私のところにやってきました。

「最初は相変わらず寝坊してくるし、責任ある仕事を任せたために被害も大きくなったけど、だんだん自覚してきたようで、寝坊してたのが嘘のように別人になったよ。ありがとう。」


私はいつも人の気持ちのベクトルを見るようにしています。

恐らくこれが答えなのだと考えています。

人はみんな自分の役割を理解しています。

責任のある仕事を任されたA君は、それだけ重要な仕事をしている事に気が付いたのだと思います。


A君にはA君の価値観があり、彼の正義で行動しています。

あの時、グループリーダーの方が評価を下げていたら、きっとA君はふてくされて、余計に問題社員になっていたかも知れません。


世の中は、高度成長期の大量生産の時代は遥か昔に終わり、「ダイバーシティ」つまり多様性の時代になりました。


それぞれの人がそれぞれの価値観で動いています。


そんな時代に、人を動かそうとすれば、人の気持ちのベクトルがどちらを向いていて、どこに石を投げて導くかが上司としての役割なのではないでしょうか?

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