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彦根市で一体何が起きているのか!?巻き込まれたひこにゃん。この一連の騒動を追った。

ひこにゃん活動休止か!?衝撃的な見出しが、新聞各紙で踊った。一体何が起きているのか?彦根市役所の財政課、議会事務局、観光企画課、シティープロモーション課、そして、ひこにゃんの運営団体であるご当地キャラクター協会の取材から、見えて来たこと。そして、課題。

🔷議会での非常事態

今月20日、彦根市議会で443億の2019年度一般会計予算案が否決されてしまった。一般会計予算案が否決されたのは、彦根市では初の異常事態だった。

賛成は5議員、反対は、18議員という圧倒的な差での否決だった。市職員も「ここまで来るには、色々あった」と話す。いわゆる自民・公明系では無い大久保市長。2018年6月には、辞職勧告決議案が出されている。

彦根市議会は、現在公政会(自民系)が最大会派。市長が、こういった会派と上手く付き合っていかないと、議会でも案が通らないということは、現実問題としてあり得る。

予算案の事前根回しを、行っている自治体もあるが、彦根市は、そういったことを行っていない。そして、彦根市は、現在財政上の大きな問題も抱えている。

2024年の滋賀国体のメイン会場となる彦根市。そのための新体育センターを2022年春に供用開始を目指している。しかし、東京オリンピックの影響による建築資材の高騰などで、事業費が基本設計案と比較して、11億2千万増えてしまった。

本庁の耐震化工事も、市の当初の積算の甘さや計画の長期化による消費税増税の影響などで、総工費が20億以上膨らんだ。市は今後5年間で89億6千万の収支不足を見込んでいる。

🔶この収支不足による影響

彦根市は大花火大会中断、総おどり大会の廃止の方針を打ち出した。大花火大会は、毎年市内外から13万人の観光客が訪れる人気イベント。総おどりは、50年以上の歴史があり、毎年2万人の人出がある。

この決定に対しては、西川貴教さんが、Twitter上でも、開催に向けての提案を行っていた。

両大会の中断・廃止による財政効果は年間1200万円。しかし、この市の方針は、議会の反発も食らった。

🔷一般会計予算案否決による影響

一般会計予算案に、ひこにゃんの年間経費約3000万も含まれていた。ひこにゃんの経費は、ふるさと納税の中で、毎年ひこにゃん募金として納められた分を、ひこにゃん基金に積み立てて、翌年度に、ひこにゃんの経費の一部として使われている。

しかし、予算案が否決されてしまったため、この基金も使えない非常事態に陥ってしまった。

🔶28日に暫定予算のみ可決

28日に、議会で、4月~7月末までの必要最小限の義務的経費(人件費など)約120億のみ、可決された。もちろん、ここに、ひこにゃんの経費は、一切含まれていない。6月議会に、再度本予算案を提出して、議会で審議することになっている。

🔷最悪のシナリオ

再度6月議会で、本予算が否決されると、また暫定予算ということになる。この点を財政課も非常に懸念している。どの部分を、本予算に組み込んでいくか?これから、市として、協議していくことになる。

4月以降は、ひこにゃんブランド推進室が、観光企画課から、市長直轄の部署である、シティープロモーション課に異動になる。

シティープロモーション課は、取材に対して、「6月に提出する予算案にも、ひこにゃんの経費は入れて行きたい」と話した。

🔷救世主登場

ひこにゃんの活動休止のこの危機に、ひこにゃんの運営団体でもある、日本ご当地キャラクター協会荒川会長が立ち上がった。4月~7月末までの活動のための資金を、今、流行のクラウドファンディングで募集すると、市長に提案したのだ。

市長もこの荒川会長の提案を、快諾した。29日の市長定例会見で、この件を公表し、午後に、荒川会長が市役所で、その説明を行った。

ちぃたん☆騒動の時に、荒川会長を直接取材したが、冷静な、適切なジャッジを下せる方だと、その時に感じていた。キャラクターを愛する荒川会長だからこそ、この事態を黙って見ていられなかったのだろうということは、容易に想像が付く。

ひこにゃんは、平成30年度と同様に、彦根城ならびに中心市街地に登場する予定だ。今後の予定の詳細は、決まり次第、ご当地キャラクター協会のFacebookで公表される。

🔷今後の課題

まずは、6月の議会で、本予算を可決させる必要がある。この可決が流れると、市民生活に多大な影響が出る可能性がある。統一地方選、そして、ふるさと納税の法制度化施行への準備、そして、予算の組み直し。

彦根市職員がやらなければならない仕事も山積み。この大変な状況で、6月議会を迎えることになる。市長、市議の皆さん全員が、冷静な視点で、市民第一の議論を進めて貰いたい。

そして、夢を与え続けている、ひこにゃんの円滑な活動が出来る大前提を整えて欲しい。

市民の生活を、すっ飛ばした権力闘争は、必要が無い。

掲載写真 PRTIMES

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