さかたのニュースまとめ(2024年3月12日)
私自身がX(旧Twitter)で取り上げた記事を中心にニュースを振り返る。
2024/3/9(土)
カナダ UNRWAへの資金拠出再開を発表
3月8日、カナダのフッセン国際開発相はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出を再開すると発表した。
UNRWAは2023年10月7日の越境攻撃への関与が疑われており、カナダを含むアメリカ、イギリス、ドイツなどの主要十数ヶ国が拠出を停止している。
その疑惑を受けて国連はUNRWAの中立性を検証するための調査チームを立ち上げ、3月下旬に中間報告、4月下旬に最終報告が行われる予定である。
2月5日にはスペインが追加拠出を発表するなど、各国によって対応が分かれている状況だ。
今回の発表のように、カナダは調査チームの報告を待たずして“見切り発車”という形となる。
ガザ地区では食糧不足などの人道問題が深刻化しており、このカナダの判断が拠出を停止している各国に影響を及ぼすと考えられる。
UNRWAへの拠出再開に関してはイスラエルの反発も考えられるため、親イスラエル国家であるアメリカは拠出停止を継続することが予想される。
一方でアメリカは米軍機による支援物資の投下を開始しており、イスラエルに配慮しつつも人道問題へ対処していると見られる。
日本は中東のアラブ諸国との関係に配慮し早期に拠出再開したいところである。
だが果たして調査チームの報告前にその決断をするのか、注目したい。
2024/3/10(日)
ウクライナ軍 女性兵士の動員状況
2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が開始され、今年で3年目に突入した。
ウクライナ軍兵士の損耗が激しく、米ブルームバーグの記事(2024年2月26日)によれば戦死者は3万1千人にのぼっている。
現在ウクライナ軍には6万5千人の女性が所属しており、そのうち30%はロシアによる侵攻後に入隊したという。
つまり2万人の女性が新たに入隊したということになる。
そして4千人強が戦闘地域に配属されているとのことだ。
第二次世界大戦でソ連軍が兵士不足により女性を大量動員した過去がある。
現代ではウクライナがロシアに攻め込まれ、女性が戦場へ送られている。
なんという皮肉だろうか。
2024/3/10(日),12(火)
ガザ戦闘 ラマダン期間中もイスラエルは作戦続行
3月2日、アメリカのバイデン政権高官からイスラエルとハマスの停戦枠組みについて発表があった。
アメリカとエジプトが仲裁に入り、イスラエル側は条件を受け入れていた。
当初、3月10日から始まるラマダン期間までの合意を目指し“ハマス側の回答待ち”まで漕ぎ着けていた。
デッドラインの10日が近づいてもハマスは“人質開放”の条件を呑まず、ついには合意に至らなかった。
ハマスが条件を呑まなかった理由として、イスラム諸国によるイスラエルへの反発を煽るという思惑があると考えられる。
イスラエル軍がラマダン期間中に攻撃をすれば、それはイスラム教徒にとって象徴的なものになる。
当然“市民を盾にする”その狙いをイスラエルは非難した。
一方ハマスからすれば“人質開放”で得られる停戦よりも、イスラム諸国によるイスラエルへの反発そして憎悪の高まりの方がメリットが大きいのだろう。
初めからハマスは軍事的な勝利を目指していないのである。
3月10日を過ぎラマダン期間が始まったが、イスラエル軍は攻撃を続けている。
ネタニヤフ首相は11日に米FOXニュースのインタビューに対して、「ハマスの4分の3を壊滅させている」「勝利は近い」と発言している。
国連のグテーレス事務総長も攻撃の停止を呼びかけているが、イスラエル軍の“ハマス壊滅作戦”を完遂する意志は明確だ。
ラマダン期間は4月8日(あるいは9日)までとなっており、このままイスラエル軍が攻撃を続ければイスラム諸国からの反発は避けられない。
それはハマスの思惑どおりであり、イスラエルの強硬で徹底的な姿勢は中東や世界に対して今後何十年も影響を及ぼすだろう。
Bluesky:@sakatatakuro.bsky.social
©️さかた拓郎
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