さかたのニュースまとめ(2024年3月8日)
私自身がX(旧Twitter)で取り上げた記事を中心にニュースを振り返る。
2024/3/5(火)
イラン国会議員選挙 保守強硬派が圧勝
3月1日、イラン国会議員選挙が行われた。
投票率は約41%とイラン革命(1979年)以降で過去最低となった。
290議席中200議席が保守強硬派が締めることが確定している。
現在のイランはイスラム革命思想を受け継ぐハメネイ師が最高指導者であり、今回の選挙で保守強硬派が勝利したことにより大統領のライシ師の地盤を固いものにした。
2018年5月にアメリカ共和党のトランプ大統領(当時)がイランとの核合意から離脱することを発表し、その後アメリカはイランへ経済制裁を科している。
イランの主要輸出品の石油に対して諸外国が輸入制限をかけ、外貨資金決済にも制限をかけられたことによりイラン国内ではインフレが続いている。
インフレはイラン国民の生活を苦しめ、その不満が今回の選挙にも表れている。
アメリカは2021年1月から民主党のバイデン政権へ変わったが、イランとの核合意からの離脱は継続している。
アメリカからすれば従来の核合意による濃縮ウラン生産の制限だけでは不十分であり、弾道ミサイル開発の制限も含むべきだとの考えだ。
今年11月にアメリカ大統領選があるが、民主党・共和党の予備選挙によれば現職のバイデン大統領とトランプ氏の戦いになる可能性が高い。
これまでの経緯を踏まえるとどちらが勝利したとしても、イランとの新しい枠組みでの核合意は難しいだろう。
一方で筆者はトランプ氏が再び大統領になることで、その一見“自分勝手”な行動力により核合意に近づく可能性があるのではないかとも考えている。
2024/3/6(水)
中国による南シナ海でのフィリピン船衝突 豪首相が非難
3月5日、南シナ海で中国船がフィリピン船へ衝突したとしてフィリピン沿岸警備隊が中国海警局を非難した。
これを受け6日にオーストラリアのアルバジーニー首相は「南シナ海における危険で不安定化を招く行為を非常に懸念している」と発言した。
中国の思惑としては、自国の船をフィリピン船に衝突させてフィリピン政府の出方をうかがうという狙いがあったのだろう。
これにアルバジーニー首相も反応したことで、中国はオーストラリアの出方もうかがうことができたと言えよう。
2023年10月には南シナ海上空でアメリカ空軍の爆撃機に中国軍の戦闘機が異常接近し挑発したこともあった。
今回は海上でしかも相手がフィリピンということもあり“衝突”というエスカレートした行動に出たと考えられる。
今後も中国はアクションに対する周辺国やアメリカの出方や反応を分析し、台湾侵攻を含み海洋進出を狙っているのだろう。
2024/3/7(木)
ガザでの戦闘 ハマス側の停戦・人質開放の合意が得られず
3月2日、アメリカがイスラエルとハマスの6週間の停戦枠組みを提案していることが発表された。
イスラエル側は条件に合意し“ハマス側の回答待ち”まで進められていたが、3月10日のラマダンを前にしてもハマス側の合意は得られていない。
今回ハマスが停戦と人質開放に合意しない理由を推察したい。
もしイスラエル軍がラマダン期間中に攻撃をした場合、それはパレスチナだけではなくイスラム諸国に対して象徴的なものになるだろう。
イスラエルに対する反発、憎悪の高まりを招くことは想像に難くない。
具体的に言えばレバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派による攻撃の激化が考えられる。
特に後者については、日本も紅海を海上輸送ルートとして利用している(現在は運行停止中)ため他人事ではないのである。
必ずしもその影響は武力行使といった直接的なものだけではない。
イスラエルとサウジアラビアは国交正常化に向けて少しずつ距離を縮めていたが、それにも悪影響を及ぼしかねない。
イランへの影響も然りである。
10日のラマダンまで残された時間は僅かだが最後まで注視したい。
Bluesky:@sakatatakuro.bsky.social
©️さかた拓郎
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