2021 菊花賞 回顧
【評価】
◎タイトルホルダー
◯オーソクレース
▲ステラヴェローチェ
△ヴァイスメテオール
×ヴェローチェオロ
1着:タイトルホルダー MSL G2
体力・パワー系のS駆動で、イメージとしてはMS系に補完で体力のLがくっついている感じ。中盤できっちり緩めているので特別なステイヤー的体力を示したという事ではなく、自身の馬質と能力のみで単純に押し切れたという内容。5着以下のOP入り出来るか微妙なクラスの体力系とは格も馬質も違う。
2着:オーソクレース MC G3〜G2
かなりまとまっているがこのクラスの相手には負けないくらいの格感はあった。タイトルホルダーを抜きにした別レースで無難に1着を取ってきたイメージ。前哨戦で激走の形にはなっていたがそれこそ鮮度持ちだし評価を下げる要素がほぼ無かったと思います。今回の走りの質としてはシュネルマイスターの弥生賞イメージ。
3着:ディヴァインラヴ LS SL OP〜G3
改めて前走を見るとマカオンドールのLの雪崩れ込みとは別次元のS的な先行抜け出しをしているので今回はリズム的にSを優位に見て評価しろという事ですねという印象。本質としてはマイルでやれるような精神的骨格は持っていないが軽さのある(良質な部類の)LS系という認識。アリストテレスのAJCCのように余勢で次くらいまでは好走出来るかもしれないが時間が経ってパフォーマンスがどんどん本質に寄っていくと怪しさが出てくると見ている。
4着:ステラヴェローチェ LC CL量 G2
ずっと量感を残しているが本質としては肉体を駆動させているのがSではなくCという事でエタリオウに近いイメージ。ストレスとか疲労のような苦に対する耐久力は強いと思う。3冠レース全てでもう一押しの足りなさを露呈してしまった形で、これは馬のランクとしてクロノやフィエールマンのような上位のクラスではないという事を示してしまったという印象。馬に活性をもたらす源泉でもあるSが足りていないのはもちろんだが、体力(L)も格(C)も抜けている訳ではないという事。常に着争いは出来るが頭を獲るためには道悪のような外的要因が必要になってくるイメージ。
5着:ディープモンスター LC 〜OP
Vラインの形になっているがこれは体力レースでよくある他馬が動いた所で動かずに楽をした分が最後の伸びに繋がっているというもの。この5着は全く評価しない。悪質ではないが強くないディープ産駒にありがちなLC系で、格感を示すがあくまで弱い相手向きという馬。マイラプソディと同じで自力で古馬混合のOPを勝てるようには見えていない。
6着:ヴェローチェオロ LM 〜OP
デムーロなら5着かな。格的にステラより上はないと思います。良いタイミングでの重賞挑戦で2回弾かれているのでこれで現状はワンパンチ足りないという結論で良いでしょう。OP入りは出来ると思うがそこからの奥行きはあまり感じない。
7着:アリーヴォ LS 〜OP
ディヴァインラヴと同じ連勝馬でもこちらは体力系牡馬特有の重さが拭えないパフォーマンス。主要所の質とは対極にあるタイプで、ローカル質の低レベルの場で自分なりに頑張る馬。驚くようなパフォーマンスはして来ない。
8着:エアサージュ LM 〜準OP
この場面で逃げられない時点で厳しい。相対的な体力の優位性のみで相撲を取るタイプで、S由来の跳ねるパフォーマンスは期待しづらい。ダウン向きだがダウンでパフォーマンスを上げる訳ではなく、明確にアップを苦にするという事の裏返し。
9着:アサマノイタズラ SL G3〜
前走しっかり仕事をしているので今回は別に頑張らなくても良い場面だよね?という凡走。鞍上だけでなく馬も自分のやる事を分かっているのでSLの単発差し界隈では良い方の質だと思う。
10着:ヴィクティファルス LS OP下位
これはかなり厳しい。サボっての凡走ではなくしっかり勝負に行っているのにアリーヴォを差せずにディープモンスターに差されるという内容。クラシックフル参戦の消耗と今回の相手2頭のレベルを考えると先は暗い。
11着:セファーラジエル LS 〜準OP
この挙動を良いSとは別に言わない。変に肩入れせず、体力のあるLS系でまだ未完成という程度に留めておいた方が良いと思う。少頭数の外枠向き。
12着:ロードトゥフェイム LS 〜準OP
自己条件の体力舞台ならまだなんとか見れるが質的にヴェローチェオロよりかなり下。
13着:レッドジェネシス L OP
変に前に行くよりこういう乗り方の方が馬は楽なので6〜7着に頑張れても良かった場面での1人気13着はかなりよろしくない。川田がどうこうというよりは馬の質と能力が足りていないかな。フラットに質を判断するとG3も厳しいと思うがどうだろうか。
14着:モンテディオ S 〜準OP
単純に能力が足りていないが差し届かずの10着とか12着よりはまだ好感。ただ明確な上限はある。
15着:グラティアス LM 〜OP
これも明確に質の悪い感じは見せないが足りていない。
16着:ヴァイスメテオール MS OP〜
体力系の中途半端な馬とはジャンル違いなのでこの16着はそんなに気にしなくて良い。物理的に無理だったという事。
17着:ノースザワールド LS 〜準OP
重めのLS系差し馬。位置取りどうこうではなく結果的に明確に足りなかったという事で良い。
18着:ワールドリバイバル LS 〜準OP
悪質なLベースに補完で少しのS。質、能力共に足りていない。
ショックがあったから勝った、ショックが掛からなかったから負けた、楽だから勝った、苦だから負けたとかそういう表面的な事が全てではないです。ハマり待ちの博打に身を投じる前に備えとしてやれる事は出来るだけ深くやっておきたいですよねと思っています。
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