ピコピコサンダル

はじめまして。馬、ハクチョウとともに北の田舎で育ちました。 親の事業の失敗、借金、から…

ピコピコサンダル

はじめまして。馬、ハクチョウとともに北の田舎で育ちました。 親の事業の失敗、借金、からの夜逃げという昭和感丸出しの流れを経て、17歳の夏、訳も分からぬまま東京にぶち込まれました。不本意ながら受け入れてきたことを思いつくまま文字にしたいと思います。

最近の記事

ばっちゃんのこと①

うちから歩いて5分ほど離れたところに、父方の祖父母が住んでいた。祖母の家は借家の一軒家で、二階には父の妹と弟が暮らしていた。 身体が弱かった祖父は入退院を繰り返していて、その頃もずっと病院にいた。微かにある祖父との思い出は、笑顔の祖父と、膝に抱かれる私のモノクロのフォルム。しかしこれも、実際の記憶なのか、はたまた写真の画像を見た時の記憶なのか、それくらい祖父との思い出は数少ない消え入りそうなものであった。 祖母は足が不自由だった。小さな頃家の近所で遊んでいて、当時の交通手段

    • みつばちのはね

      小さい頃の私は、平屋建ての借家に、父と母と弟と住んでいた。家の前は砂利が敷かれ、ちょっとした駐車場になっていて、その前の道路を向こう側に渡ると、公園に続く細い道があった。その細い道は右も左も空き地になっていて、シロツメクサやカタバミ、オオバコなどの雑草が生い茂っており、近所の子供たちの恰好の遊び場だった。 喘息持ちの私はその空き地で遊んだ記憶がほとんどない。時々外に出られた時は、その細い道の端で、雑草の葉や虫が動くのをじっと見たりしていた。淋しいとか、誰かに遊んで欲しいとか

    ばっちゃんのこと①