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ローゼンゴート谷川萌々子出場のスウェーデンカップ準決勝を観た雑感

3月30日 スウェーデンカップ プレーオフ準決勝 
谷川萌々子・門脇真依所属のFC ローゼンゴート vsピーテオ IF戦をフルタイムでネット視聴観戦(合法)。

FC ローゼンゴート vsピーテオ IF LIVESCORE

SPORTBLADETというスウェーデンのスポーツ新聞が有料会員向けにスウェーデンカップのLIVE配信していたので、有料登録したらジオブロックが掛かっていて、スウェーデン国内からのアクセスしか観れないことが判明。
結果的にVPNサービスも加入して観ることができたが思わぬ出費(2600円くらい)になってしまった。UNEXTに加入していないのでコパデルレイが観れなかったが、このサイトでコパデルレイ決勝は観れるようなので良しとする。


谷川萌々子はボランチでスタメン出場。
門脇真依はベンチスタート。

前半はローゼンゴートが早い時間帯に2得点。
観始めてすぐにチーム力に差があるなとは感じたが、2得点ともサイド攻撃からの得点。谷川が攻撃を組み立てる展開はほどんどなし。
ポゼッションを握る中で相手ボールになると中盤の底で速攻ボールを奪いに行くプレーで守備面での活躍が目立つ。
攻撃面ではPAで倒されたがPK取ってもらえず、と、ボール受けて反転からPAに侵入しての左サイドからシュートが枠に飛ばずといったところ。

2-0リードで余裕が出て積極的に前に出なくなった展開から、ピーテオにCKからファーのヘディングでシンプル失点。
ここからバタついて前半終わるまでセワシナイ展開のままハーフタイム。


この試合は女性の実況だったが、試合前とハーフタイム(と終了後は勝利チームのみ)に選手(たぶんキャプテン)がバカデカいヘッドフォン付きのヘッドセットを装着して、実況とのクロストークをLIVE放送。
スウェーデン語なので意味は分からなかったが、Jリーグのピッチリポーターが質問する映像よりも臨場感は上に感じたので、日本でも採用ありだと思った。

試合中に雪は降らなかったが、ピッチ脇に山のように雪が積まれている。
ゴール裏は雪だらけでボール置台が設置されているだけでballboy不在。
タッチラインはピッチから観客席までの距離が近く、ballboyの待機場所がなくピッチ脇でボールを持って突っ立ている状態。副審が上下動する導線上で、ぶつかるんではないのかと心配になるほど狭い。
秋春制に移行した時に降雪地域のクラブは、試合運営上でのこういった問題も発生する可能性があるんだなと思った。
広島の新スタジアムは素晴らしいし、ピッチまでの距離が近いことをウリにしているが、雪が降った時のballboyの待機場所は計算されているのだろうか?


後半は牽制しあってお互い良いところが出ないまま進む。
谷川はそもそもタッチ数自体が少なく上手く試合に絡めていない印象。
そうしているうちに81分にFKから2-2の同点。
1失点目もそうだがマンツーかゾーンか分からない中途半端な状況での守備で後手に回る中での失点。チーム力に差は感じたが、セットプレーは毎回バタつく印象で改善の必要があるように感じた。
80分に門脇投入されて前から積極的なプレスはキレがあったが、投入直後に同点にされて相手チームの勢いに押される展開の中では、10分間ではなかなか良さを出せず。


2-2で延長戦に突入。
延長戦は間延びして両ゴール前に行ったり来たりの出入りの激しい展開になるがシュートまでは繋がらず。
結果的に120分にゴールを決められ、2-0からの2-3という大逆転劇で、試合終了後も興奮冷めやらず。

延長戦になってからは谷川の存在感が増す。
いつも思うが谷川の試合中の落ち着き方は凄すぎる。
状況判断が良すぎるのか、走る必要がないと感じるところは全く動こうとしないがプレスが掛かると判断したら全力で詰めて普通にボールを奪う。
15年選手ばりのいぶし銀のプレーを18歳にして体現している。無駄走りが少ないから延長戦に入った終盤のスプリントでも疲れを感じさせない。

あとパスレンジの感覚が明らかに他の選手と違う。
この試合でも30M級のスルーパスを3、4本出していたが、女子選手にありがちな(Jリーグでも全然あるけど)パススピードが弱くて届かない、は一本もなく、全てポイントは合ってるけどボールスピードが速すぎて味方選手が追い付けないパターン。
いや、もうほぼ中田英寿だね、あれは。

門脇も日本人特有のアジリティが感じられるドリブルなど、ボールを持った時のプレーはキレがあって良かった。
延長戦で左サイドのペナ脇深くまでドリブルで侵入してからの、反転してゴール前に上がってきた谷川に戻して谷川シュートはGKに防がれたけど可能性を感じるプレーだった。


3月24日のユールゴーデン小山史乃観の試合も見たが、トップ下でフルタイム出場

ユールゴーデンのチーム力がもう一つという印象で、トップ下でプレーするも後ろ向きでボールをもらうことが多く、後ろから押されて倒れるシーンが散見されたがファールはとって貰えず。フィジカル的に小山のトップ下はちょっと厳しいかな?という印象。

だったが、3/30のテストマッチで得点。
テストマッチ ユールゴーデンvsウプサラ
試合は観てないが1人少ない中とはいえ結果を出したのは良い兆候なのかも。とはいえ代表チームを目指すならトップ下はかなりの激戦区。左サイドバックの方が経験・適性ともにA代表レベルまで行く可能性は高いような気がするのだが。


スウェーデンの女子サッカーは2試合見ただけだが、なでしこジャパンに対する敬意とあわせて、浜野まいか・籾木結花・宝田沙織・林穂之香など、これまでスウェーデンリーグで活躍した日本人選手の影響もあるのか、リーグ全体に日本人選手に対する信頼感のようなものを感じた。
男子サッカーにおけるドイツやベルギー的な存在として、今後の日本人女子選手の欧州挑戦のファーストステップとしてスウェーデンリーグの存在感が増していくような気がした。

ちなみに現在開催されているモンテギュー国際大会でU16日本女子代表がU16スウェーデン代表と対戦して2-1で勝利。
15番の式田和(しきだ にこ)のドリブルのキレが凄い。右サイドだけど中嶋淑乃に次ぐ女子版三笘薫という称号を手に入れそうな雰囲気。

今夜25:30(4/1/1:30)からU16オランダ代表との決勝戦
女子選手は若くて世界に通用する良い選手がどんどん輩出されているのに注目度が低すぎる……


スウェーデンカップは敗退してしまったが、4月13日(何故かMidWeek)からスウェーデン女子1部アルスヴェンスカンも開幕。
アルスヴェンスカン | 女子

日本で視聴ができるのか不明だが女子サッカーに注力しているDAZNには頑張っていただきたいところ。


(文中敬称略)

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