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高校演劇「フートボールの時間」 ー100年後はどうなっていますか?

皆さんは、今から約100年前にサッカーに打ち込んだ少女たちがいたことをご存じですか?
今年はWEリーグが開幕したこともあり、女子サッカーへの注目度が高まっています。
ヨコハマ・フットボール映画祭公式マガジン第31回では、インターンスタッフの坂野(大学3年)が、10月9日にヨコハマ・フットボール映画祭で上映する、高校演劇「フートボールの時間」を紹介します!

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突然ですが・・・
皆さんは、いま高校演劇が盛り上がっているのをご存知ですか…?
中には、映画化もされており、『アルプススタンドのはしの方』という作品は、賞も受賞しています。(『アルプススタンドのはしの方』予告編はこちら)

今回紹介する「フードボールの時間」も、盛り上がっている高校演劇作品の一つです。
香川県立丸亀高校演劇部で制作されたこの作品は、2018年の全国高等学校総合文化祭で最優秀賞を受賞し、NHKで放送されたり、ライムスター宇多丸さんが出演するラジオ「アフター6ジャンクション」で紹介されたりと、大きな話題になりました!
(「アフター6ジャンクション」当該回はこちらで聴くことができます。)

【YFFF】フートボールの時間7

この作品が制作されたきっかけは、大正時代に丸亀高等女学校(丸亀高校の前身)で、フートボール(サッカー)が行われていた記録となる写真が見つかり話題になったこと。
この時に見つかった写真は、袴姿の女の子たちがボールを追いかけている写真であり、写っている子たちは皆楽しそうです。

【YFFF】フートボールの時間サブ (6)© ハルフィルム © 香川県立丸亀高等学校

しかし、その後の記録からは“フートボール”が登場しません。
一体なにがあったのだろうかと、丸亀高校の生徒たちが想像の翼を広げて制作したのが、この作品「フートボールの時間」です!

[STORY]
1920(大正9)年、香川県の丸亀高等女学校の校庭では、女学生たちがボールを楽しく蹴っている。この学校では、明治時代からフートボール(現在のサッカー)が授業に取り入れられていたのだ。しかし、ある時「女が足を広げてボールを蹴るなどはしたない!」と保護者からのクレームが殺到し・・・
大正時代に女学生がサッカーを楽しんでいたという事実を後輩生徒たちが熱演し全国高等学校総合文化祭で最優秀賞に輝いた話題作。(2018年7月15日 第19回四国高等学校演劇祭にて上演)

【YFFF】フートボールの時間1

「フートボール(=サッカー)」について知らないことが当たり前であるため、彼女たちは球を“蹴る”ということに驚いています。
「大正のなでしこ」とも言える彼女たちは、どのようにフートボールに向き合い、楽しんだのか。高校生たちが丁寧に物語を紡いでいきます。

たくさんの人がいないとできないスポーツの代表格とも言えるフートボールをプレイする彼女たちは、まずは仲間を集めることに奔走します。
友達や、その友達に憧れる人たち・・・

そうして集めた仲間たちと共にフートボールを楽しむ姿は、鑑賞している私たちも笑顔になること間違いなしだと思いました!

【YFFF】フートボールの時間6

しかし、みんながみんなフートボールに好意的ではありません。
「女なんだから」などということでフートボールを辞めさせようとする人も少なくないのです。

【YFFF】フートボールの時間9

純粋にフートボールを楽しめない環境であったこの時代に、彼女たちはどのようにしてフートボールを楽しもうと模索するのか、ぜひ最後まで見届けてください…!

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今でこそ「なでしこ」や「WEリーグ」などと、女性が堂々とサッカーをプレイする環境があったり、女子サッカー部がある学校や男女関係なく入部できる子どものクラブチームがあったりと、サッカー上での性差は減っているように思います。

しかし、まだまだ男子と女子では差があるのも事実です。このような現代よりもさらに差があり、制限があった時代が、この演劇で描かれています。
特に、「嫁ぐから学校を辞める」というのは、この時代を描いた作品だとよく扱われますが、学びたい欲や学友と過ごしたい思いがあっても家の都合でそれが継続できない、ある意味自由が奪われていると言っても過言ではないと思いました。
みんなと一緒に過ごしたり、フートボールをしたりすることもできなくなってしまう。本当に悲しいことだと思います。

【YFFF】フートボールの時間8

当時にタイムスリップしたような衣装や髪型も素敵でした。
可愛いですね!✨

また、この作品は、後半一気に登場人物たちの衣装が変わる場面があるのですが、予想していなかった展開が大好きな私にとっては、とても面白いなと感じました!

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10/9からのヨコハマ・フットボール映画祭では、時代や国が異なる3つの女子サッカーの映画を上映します。
それぞれの作品で、登場人物たちは、ジレンマを抱えつつも前向きに進んでいて、その姿勢は、現代に生きる私たちも参考にするべき点が多いと思います。
映画祭としても、こういった作品を上映、発信していくことで、サッカーで楽しい社会になるよう活動してきます!

今回紹介した「フートボールの時間」は、ヨコハマ・フットボール映画祭2021にて10/9(土)13:40〜かなっくホールで上映です!

チケットは下記リンクにて販売中です…!
ぜひ映画祭で「フートボールの時間」をご覧ください✨✨

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