【ADVゲームレビュー】雨穴作・謎解きゲーム〜失踪事件のあった地区の回覧板〜/持ち帰り謎 (2023)
雨穴作・謎解きゲーム〜失踪事件のあった地区の回覧板〜/持ち帰り謎
オモコロチャンネルの通販にて販売されている持ち帰り型の謎解きゲーム。
内容紹介
解説/感想(ネタバレなし)
「変な家」等のヒットで、一躍、時の人となったWEBライター・雨穴による謎解きゲーム。
初回生産分の1,000部は、即日完売。
謎解きのジャンルでもヒット作家となり、追加生産となっている。
内容は、ストレートに回覧板。
いくつかプリントが挟まっているだけで、謎解き特有の切ったり貼ったり、というギミックはなさそうに見える。
しかし、失踪事件の情報提供を求める紙が含まれている等、やや不穏。
依頼者からすれば、違和感があるとのことだ。
回覧板をアイテムとして使いながら、WEBサイト上で物語が展開していく形式。
ボリュームとしては、30分程度といったところだが、一般的な持ち帰り謎よりも安価に設定されていることもあり、コスパは相応といったところ。
ひとつの回覧板から導き出される、ひとつの事件の真相。
小謎を排除し、推理ゲームに全振り。
WEB記事上の雨穴氏と栗原氏の役割を、自ら果たす形で、あの世界観に没入できる仕様となっており、30分WEB記事を読む代わりに、自らの気付きで展開を進めていくと考えれば、十分な価値提供である。
難易度は易しめ。
かつ、ヒントも充実しているため、最後まで辿り着けないということはないのでは。
メタ解きや総当たりで突破できてしまうところもあるので、作問という観点ではまだ未成熟な部分も見られるものの、どんでん返しがあるところも含めて世界観の再現度の高さに驚かされた。
雨穴氏の作風に慣れていることが前提となるが、あの空気が澱んだ雰囲気に浸りたいのであれば良い買い物となるだろう。
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