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 眼がぱっちりあいて
 眠れないから
 浴衣ひっかけて
 下駄つっかけて
 散歩に出た

 夜の家並は
 白く光って気味が悪い

 藍色に菊を配した
 白い女の浴衣を着て
 カッコンカッコン歩いている
 俺も幽霊と見られて
 仕方がないかも知れないが
 この白い夜の家並はどうだ
 足つける地がないみたいだ
 ホントに人が住んでいるのか

 道が狭くなって
 石塀にぶつかって
 そらぞらしくかえってくる
 カッコンカッコンいう音が
 見知らぬ生き物の迫るようで
 土が恋しい
 くらやみをくれ
 俺の生きている音を
 どこまでも遠くへ
 すいとってくれよ


#詩 #音 #カッコンカッコン #夜 #家並

「生きろ。そなたは美しい」