【フリゲ感想】日陰の日葵 - sun in the shade
この記事の文字数は約4,300字です!
おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回は1時間程度のプレイ時間にもかかわらず、
確かな感動を味わうことができる高品質なゲームのご紹介です!
巧みで無駄のない構成で綴られる感動的なシナリオが
単一視点ではないグラフィックや素晴らしいBGMとともに楽しめます。
GW期間中のお時間があるときにでも是非遊んでみてください!
なお、今回から少しだけ形式を変更して、
本当にネタバレとなる部分以外はネタバレなしの項に記載します!
その他、書き方をちょっとだけ変えてみました。
1.どんなゲーム?
今回紹介したいのは、斜塔ソンブレロさんの「日陰の日葵 - sun in the shade」です!!
【制作】 斜塔ソンブレロ様
【制作ツール】ティラノビルダー
【プレイ時間】公式1時間半
【ジャンル】ビジュアルノベルゲーム
【KW】青春
【筆者プレイ時期】2022年4月プレイ
【筆者プレイ状況】クリア
【あらすじ】
調律師を父に持つ高校生の主人公「那須川ヒロユキ」は、将来への不安から素行の悪い学校生活を送っていた。そして、ついにはテストでカンニング行為にまで及んでしまう。
当然のようにバレてしまい、課された罰は意外にも「学校のピアノを修理してほしい」というものだった。
【一言でいえばどんなゲーム?】
映画のような感動や余韻を味わえるシナリオもビジュアルも素敵なゲーム
2.こんな方に特におススメ!
ピンポイントで特にこういう方におススメ!と思いました!
・高品質バンザイ!な方
フリゲとは言えできれば商業顔負けなゲームが遊びたい!
という方にも胸を張っておススメできるゲームとなります。
絵は一目瞭然の通り相当にお上手です。選曲も素晴らしかったです。
完成度が非常に高く、粗のようなものを感じる部分は一切なかったです。
・よくある「背景+立ち絵」以外の視覚表現を味わいたい方
一般的なADVの基本的な形式となる背景+立ち絵という表現ではなく、
シーンに応じた構図の一枚絵を表示しながらストーリーが進みます。
閉鎖空間で進行するお話ではないため、グラフィック量が膨大です。
グラフィックコストに比例してとても臨場感がありました。
・感動的なゲームは遊びたいけど短めな方がありがたい方
本作は高校生である主人公の成長を描いた作品なのですが、
展開には一切の無駄がなくプレイ時間は1時間程度となります。
質も量も素晴らしいグラフィック表現ももちろんですが、
構成やシナリオもとても巧みで、とても濃いプレイ体験を味わえます。
3.ネタバレなしの紹介
次に、前項とやや被っていますがネタバレなしの紹介をここで書きます。
■グラフィックが綺麗!
グラフィックが綺麗なんですよ!
これはもうサムネを見ればある程度分かるかと思います。
絵が上手い!だけでなく、各シーンの構図も工夫されていますし、
良く見ると重要なメッセージが込められているのが良かったです。
登場するキャラはみなさんとっても魅力的でした!
■BGMが素晴らしい!
冒頭からプレイしてしばらく経った頃に、
なんだかやけにBGMが良い感じだ!となんとなく感じました。
途中からは意識的に耳も傾けていましたがどれも名曲揃い。
各シーンにピッタリかつムードを盛り上げるまさにBackgroundなMusic。
エンドロールで注目しましたが、音楽はDOVA-SYNDROMEのもののよう。
うーん。やっぱりこのサイトはクオリティが素晴らしいですわ。
■構成が素晴らしい!
キャッチーな冒頭から伏線の回収、ラストの盛り上がりまで、
構成が巧みで短いプレイ時間に良く収めたなぁと感動しました。
超強いグラフィックを最大限活かしたエンドロールもとても良かったです。
というわけで改めて作品のDLページです!レッツプレイ!
4.ネタバレありの感想
ここからは相当にネタバレを含みます。
プレイする前には読まないでください。
以下の感想を読む時間があったら本編を是非プレイして下さい。
絶品ですので遊んで後悔することはないはず!さっさとレッツプレイ!
↓ネタバレ記事開始カウントダウン5
↓ネタバレ記事開始カウントダウン4
↓ネタバレ記事開始カウントダウン3
↓ネタバレ記事開始カウントダウン2
↓ネタバレ記事開始カウントダウン1
↓
↓
↓
↓
さて、改めてここからはネタバレ感想になります。
致命的なネタバレも含みますので未プレイの方は読まないでください。
というかプレイ済の方向けの感想?になります。
■掴みはOK
小中学校は義務教育なので日本人は誰もがテストを受けたことがあるはず。
冒頭のテストのシーンの妙に細かいカンニング描写は
なんとなく分かる分かる!という感じを覚えたのではないでしょうか。
で、カンニングが見つかって危機一髪と思いきや!
という冒頭は開始直後にグッと掴まれた感じがします。
ちなみに登場人物がみな示し合わせたようにカンニングを罵倒しますが、
特に誰も突っ込まずにさらっと進んでいくのもクスリとしました。
こういうツッコミ待ち展開は実況者には優しい感じもします。
■冒頭から謎の嵐
・主人公に対してなんか周りが甘くない?
・白井さんがピアノを弾きたがらない理由は?
・主人公はどうして公園の橋を渡りたがらないの?
みたいな感じで色々とどうして?という疑問符が浮かびます。
このあたり、明確に謎を提示しておいて後で解決するのは、
やはりストーリーの先を知りたい!という欲望を刺激しますね。
■ヒマリは幻です!
ネタバレすると断っているので思いっきりネタバレしますが、
ヒマリは既にこの世にはいません。
登場している日葵は幻覚?イマジナリーフレンド?となります。
これはそれなりにちゃんとプレイしていれば分かるようになっており、
驚かせる要素というよりはなるほど&ですよね系だと思いました。
ゲームタイトルの表紙絵になっているヒマリのグラフィックをよく見ると、
ヒマリの足元は片足だけ靴が脱げている状態です。
ここに気付いた状態でゲームを始めたということもありますが、
以下のようにヒント出まくりなのでどこかで気付くかとは思います。
私はスタート時点からかなり疑っていたものの、
一緒に黒板の前に立っているシーンでアレ?読み違え?と一旦思い、
でもみゆちゃんのシーンで確信したという感じでした。
①冒頭から不自然なほど主人公を肯定するヒマリ
②調律シーンで先生が来ると隠れるヒマリ
③駅での八乙女のみゆちゃんのシーン(イマジナリーフレンドのヒント)
④二見さんの過去の独白の後に登場して片足はだしのヒマリ
主人公はヒマリを失った現実を直視できずにいたわけですが、
ヒマリの幻覚が常に主人公を正しい方向に導こう!という
ポジティブな存在だったのが凄く良かったなぁと思いました。
主人公自身も心のどこかでは過去にとらわれずに前に進みたいという
前向きな気持ちを持っていたということだと感じました。
これがダークサイドに引きずり込む感じだったら、
ゲームのテイストそのものが完全に変わってきますもんね。
■ひまわりのメタファー
ゲーム内で出てくる向日葵の話は非常に印象的でした。
太陽の方を向くことで有名な向日葵ですが、
ある程度成長すると太陽の向きとは関係なく立派に咲くとか。
このエピソードはとても綺麗に機能しているように感じました。
思春期真っ只中の主人公にとっては背中を押される話だったかな、と。
向日葵が咲いているグラフィックもとても綺麗でしたねぇ。
■専門的な描写
本作の主人公はピアノの調律師の息子という設定となり、
ゲーム内で何度か調律を行うシーンが登場します。
テキスト、グラフィック、効果音から専門的な描写がなされます。
専門家からするとツッコミどころはあるのでしょうが、
SF小説がそうであるように、それっぽければ大体OKかな、と。
門外漢としてはそれっぽく見えたのでとても興味深く感じられました。
効果音の音の高さは実際にテキスト通りにずれているのか気になりました。
■エンドロールが最高
終盤の展開からエンドロールに向かう流れや、
エンドロールそのものも非常に良かったです。
BGMの選曲も良いですし、超強いグラフィックが存分に活きてました。
グラフィックのストーリー性が強く得られる情報量も多いので、
シンプルなテキスト情報量もピッタリだったと思いました。
特に最後の2枚の、花を供えるシーンと花束の絵がたまらないです。
ちなみに連続で3回、この記事書くまでにもう3回オカワリで見ました!
■ちょっと不満に感じた点
何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
最後に持ってくると読後感が悪く蛇足感が強いのが気になりますが。。。
〇BGMの作曲者まで知りたかった!
こちら、曲を気に入ったので作曲者の方も知りたかったなぁ、と。
(ちなみに自作もBGMは出典サイトまでしか記載してないです)
〇CGモードが欲しかった!
グラフィックが美しかったのでCGモードが欲しかったです!
でもやっぱり一連のストーリーの中で見てこそナンボかもしれません。
エンドロールだけでもいつでも見返したいと思いましたが、
それは最後の方でセーブしてロードすれば良いだけなので無問題!
〇補習が〇で補修は×
エンディングで黒板に補修と書いてありますが多分補習です。
凄くどうでも良いですし普通は気にならないと思うのですが、
エンドロールを短時間に6回も見たのでつい気になってしまいました。
先生が間違えたと思うとなんだか可愛らしいので結果的にヨシ!
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
5.おわりに(ネタバレなし)
というわけで「日陰の日葵 - sun in the shade」の感想はこれでおしまいです。
作者さんが以前公開した「小坂さん。」というゲームも非常に素晴らしく、
実はリマスター版が出たのでプレイして感想記事を書こう!と思っていたら
こちらの作品が公開されたので先にプレイしてみたという感じです。
リマスター版の方は現時点で未プレイですが、
グラフィックを中心に強化されているようですので、
今からプレイされる場合はリマスター版がおススメです!(たぶん)
👆こちらは旧版。2018年くらい公開。とても面白かった!既に絵は綺麗。
👆こちらはリマスター版。2021年2月に公開。そのうちプレイします!
以上、富井サカナでした。
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