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好きなドラマ『古畑任三郎』のエピソード

名優田村正和さんが亡くなられたというニュースを昨日拝見しました。
近年は体調が悪いとは聞いていたもののやはりショックです。

田村正和さんが逝去されたということで真っ先に頭に浮かんだのは『古畑任三郎』というドラマはやはり相当に面白かったということ、もう新しいエピソードを見られることは100%なくなったんだなということです。
田村正和さんのご冥福をお祈りするとともに、弔いの意も込めて記憶を頼りに古畑任三郎の中で自分が好きなエピソードを衝動的に振り返ってみたいと思います。

それにしても本当に面白く、大人気のシリーズでした。新シリーズが始まる時のワクワク感といったらなかったですし、さんま、SMAP、イチローを筆頭に毎回出てくるゲストがともかく豪華でした。開始から四半世紀も経てば当たり前ですが今では鬼籍に入られた出演者も多く寂しい限りです。
今泉、アリとキリギリスに八嶋さんなど、田村さん以外にも名物キャラや売れっ子が誕生したのも懐かしいです。オープニングの映像や音楽、導入シーンや謎解き前のセリフなど、構成や演出も非常に好き。

本記事は基本的には自分向けの雑記なのですが、
『ああ、そんなエピソードもあったな。懐かしい』なんて田村さんの往年のご活躍を思い出して頂ければ、いちファンとしては嬉しい限りです。
極力ネタバレはしませんが、未見で今後視聴予定の方はご注意ください。
もっとも、古畑任三郎はクレジットの時点で犯人はバレバレなのですが。
あと、そもそも未見の人は見ても何を言っているか良く分からないはず。

はじめに

私は乱歩賞やこのミスにランクインするような小説群はそこそこ読んでいる方ではあります。ミステリファンと自認するには読書量が圧倒的に足りていませんが、一般レベルと比べればそこそこは読んでいる方だとは思います。

但し、私は80年代生まれの30代でして、古畑任三郎が始まった当時は小学生です。確認したところ「古畑中学生」を除く全てのエピソードは視聴済で、かつほとんどのエピソードは複数回見ていることが分かりましたが、ミステリ小説をよく読むようになってから見返したエピソードはほとんどありません。従って、ここでご紹介する『好きなエピソード』はミステリ的な趣向などはほぼ考慮されておらず、単純に普通の小学生~大学生が見てインパクトがあったものを個人的な感想や思い出とともに残している感じです。普通の人間が普通に好きだったエピソードを思い返すだけで、なんら特別な内容はないです。

本記事を書くにあたって以下のサイトを参考にさせて頂きました。
こちらのサイトはミステリファンの観点からの視点に溢れておりますので、古畑好き兼ミステリ好きの方はこの記事よりむしろ以下のサイトに目を通すととても楽しめるかと思います。

なお、本記事をご覧いただくにあたって、どんな話だったかを思い出しやすいようにリンクを合わせて貼り付けておきます。あらすじなどはそちらをご参照ください。なお、以下に選んだエピソードは好きな順ではなく、放送順となります。


①死者からの伝言

記念すべきファーストシーズンの第1話です。中森明菜回。
たぶんリアルタイムではなく再放送で見たような気がします。
中森明菜さんの薄幸系可憐美女の雰囲気が役柄にピッタリでした。
古畑さんもいつもより同情的で後々の回でも気にかけていましたよね。
印象に残ったのはその殺し方。子どもながらに嫌な死に方だなぁと。
女性は決して弄んではいけないのだと子ども心に深く胸に刻まれました。


②殺しのファックス

もうゲスト出演者からギャグに決まっている笑福亭鶴瓶回です。
コメディ回なので肩の力を抜いて楽しむが吉なはずです。
子ども時分だったのであの鶴瓶が右往左往しているだけで楽しかった記憶。
本回の見せ場は鶴瓶の変顔連発シーンで、今でもはっきり覚えてます。
ドラマにバラエティの人が出る、というのは当時は画期的だったかも?


③しゃべりすぎた男

連発で芸人出演の明石家さんま回です。
多分この前の『笑うカンガルー』(陣内孝則回)からリアタイ視聴のはず。
お待ちかね新シリーズの初回で注目度が非常に高かった記憶があります。
法廷モノだったり、相棒の今泉が捕まったり、かなりキャッチーです。
本人そのままの役柄でもう喋りっぱなし。確実に当て書きですね。
さんまさんはドラマもお手の物で見ていて引き込まれました。
古畑が犯人を追い詰めるシーンは今でも明確に覚えている名シーンでした。


④VSクイズ王

クイズ番組を舞台にした唐沢寿明回です。
アメリカ横断ウルトラクイズやFNS1億2,000万人のクイズ王決定戦などが
大好きな無類のクイズ好き少年だったので、もう設定からワクワクでした。
ゲームカタログⅡやファミ通で大好きだった伊集院光が死ぬのも大興奮!
死に方もかなり衝撃的で今でもハッキリ覚えてます。哀れ過ぎる。。
『私の動きを真似をしてください』と言って唐沢さんが古畑を煙に巻くシーンがとにかく印象的でした。あのコップの水のやつです。


⑤魔術師の選択

クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!やチョメチョメ!で有名な山城新伍回。
古畑シリーズはほとんどが当て書きに見えますが、今作もそのうちの一つ。
何故か明確に覚えていますが、オリンピック白山店でGBの『役満』を買ったその日に売り場のテレビでこの回のCMがバンバン流れてました。謎記憶。
ちなみにこの回を見て、いつかブラジャーのホックを片手で外せるような
プレイボーイになるぞ!と誓いました
が、やってみたら簡単で拍子抜け。


⑥間違われた男

シリーズ全作で恐らく一番ギャグ要素の強い風間杜夫回。
シニカルなコメディとかでなく、ミスタービーン的なプリミティブな笑い。
もうどこからどう見てもボロしかない展開が面白かったなぁ。
最後の追い詰め方もまさかの展開で『そんなのアリ!』とワクワクでした。
同じフジテレビなのにサザエさんの権利に抵触しているせいで、キムタク回同様に再放送やオンデマンド放送は一切期待できないらしいです。残念。


⑦しばしのお別れ

フラワーアレンジメントの講師役に迎えた山口智子回です。
上記リンクの説明を見るに本作が最高視聴率なんですね。
話題的にはSMAP、さんま、キムタク、福山あたりだと思ったので意外。
好きなエピソードに入れたのは今泉節が大炸裂していたからです。
『今夜はとってもヒヤシンス!』は私は今もたまにフリ付きで踊ってます。
それにしても夫婦でメインキャストで登場なんて超大物夫婦だなぁ。


⑧消えた古畑任三郎

これはシリーズのエピソードではなく総集編というかおまけ回です。
恐らく全エピソードの犯人が再登場する豪華な特別仕様でした。
多くの大物俳優・芸能人が出てくるシリーズでこの作りは痺れました。
後日談的に犯人の状態が垣間見えるのがファンには嬉しかったですし。
今思えばテレビもフジテレビも元気があったなぁと懐かしいです。
制作陣の引き出しの多さ・発想力は本当に素晴らしいな、と。


⑨古畑任三郎 VS SMAP

当時は一線級も一線級の国民的アイドルグループであるSMAP回です。
ホントに三谷幸喜さんは天才だなぁと思える素晴らしい回でした。
ジャニーズからの注文や制約も多かったと勝手に思うのですが、
メンバー全員の個性を出しつつ好感度も高めに仕上がっています。
SMAPが解散した今(古いか)だからこそ改めて見たい回ですね。
実際はこんな人数の共犯なら完全犯罪もできそうな気がします。


⑩黒岩博士の恐怖

シリーズ放送では最後となる第3シリーズ直前のSP版緒形拳回です。
かなり猟奇的な設定で、非常にワクワクして見た記憶があります。
この頃になると注目度はもう非常に凄いことになっていて、
本回から登場のボキャブラ芸人のアリキリ石井さんは一気にスターダムに。
八嶋智人さんもこれとトリビアの泉の司会で爆売れした印象です。
引きは超覚えていますが、意外とオチはよく覚えていません。

⑪古畑、風邪を引く

ベテラン超大物俳優・役者を迎えたスケールの大きな閉ざされた村回。
悪人殺しちゃって善人が結束するというのはかなり好きな展開です。
とはいえ、古畑は警察の人間なので石持浅海的世界観にはなりません。
天誅的な事件ではありますが、きっちりと犯人はしょっぴきます。
とはいえ、尊敬できる人物へは最大限配慮する古畑。後味はちょっと良い。
被害者の犯罪はフィクションの中になんとなくリアルさを感じました。


⑫古い友人に会う

超大物俳優登場のイレギュラーな展開が魅力の津川雅彦回。
初期から見ていますが振り返ってみると結構第3シリーズが好みのよう。
確かに本回も含めて一番バリエーションは豊かなシリーズな気がします。
この回は。。。と話すとネタバレになるので伏せますが、
最後の最後の古畑の語りが非常に印象的でとても記憶に残っています。
大平光代さんの『だから、あなたも生きぬいて』みたいな。同意です。


⑬哀しき完全犯罪

以前の将棋に続いて今度は女流囲碁棋士が登場する田中美佐子回。
この回は完全に個人的な趣向と合致した回でしたね。大好きな展開。
途中で別の面から見てみると一気に違った風景が見えてくるというか。
そういうことだったのねと腑に落ちる感覚が思い出しただけで良いです。
タイトルの通りなんとも哀しい事件です。ああ哀しい。残念な人だ。


⑭最後の事件

犯罪をゲームとして楽しむテロリストが相手となる江口洋介回です。
通常シリーズの前後編なのでSP回と同じくらいの長さだと思います。
今でも覚えているような印象的なシーンが数多くあったので、
後の踊る大捜査線とかにも影響を与えてそう、と適当な仮説。
超記憶に残っているのはサイコで笑える斉藤洋介さんのキャラ。
人間失格や聖者の行進で見せた怪演がここでも光ってました。合掌。


⑮フェアな殺人者

なんと現役バリバリの大リーガー時代に出演したイチロー回。
そんなのアリなの!?と心から驚愕した思い出。
感覚的には大谷翔平が半沢直樹3に出るくらいの出来事ですよ!!
意外とイチローの演技が堂に入っていてこれまた驚いた記憶。
CMでよく見るようなスポーツ選手の演技とは一線を画していました。
昨日の夜Twitterでちょっとバズってましたね。知らなかった人も多い?


以上です。
上で選んだもの以外にも桃井かおり回、小林稔二郎回、陣内孝則回、キムタク回、福山雅治回などなど、好きな回はいっぱいありますね。というか大抵好きです。素晴らしいシリーズだったので、全シリーズ全話再放送してほしいなぁ。間違いなくそれなりの視聴率行くと思います。


最後に宣伝?

全エピソードの一覧やあらすじを見返しているとなんだか懐かしい気分になりました。シャーロックホームズも江戸川乱歩もスルーしてきた自分がミステリ好きになった大きなきっかけの一つだなぁと振り返って思いました。

そんな今では古畑好きだけでなくミステリも好きな私ですが、趣味が高じて『かまいたちの夜』オマージュのフリーゲーム等を作りました。ご興味ある方は是非どうぞ。タダです。

とはいえ、残念ながら『古畑任三郎』のようにミステリエンタメ的に絶好球のストライクど真ん中な作品とは言い難く、ストライクゾーンギリギリいっぱい~完全にワンバウンドのナックルボール的なゲームとなっております。興味を持って頂いた方は先に匿名アンケートを参考にした方が良いかも。


一方、せっかくの機会?なので自分が大好きなノベルゲームのジャンルから古畑好きの自分としてはミステリエンタメ的ストライクど真ん中だと感じたゲームも紹介します。こちらは安心して楽しめると思うので是非どうぞ。

↑古畑的というよりは金田一的なミステリーゲームです


↑探偵が最後に犯人を追い詰めるあたりはかなり古畑的です(有料)


↑古畑的要素はないですがギャルゲーの皮をかぶった本格派ミステリです


おわりに

最後の宣伝が少しくどくなってしまいましたがゲ制とノベゲ推しがライフワークなのでお許しください。未見ですが古いのだと名探偵ポワロとか刑事コロンボとか、新しい海外ドラマでも『古畑任三郎』と同じようなオモシロ要素を含むドラマはいっぱいありそうですね。そういうのも気が向いたら探してみたいと思ったりしました。(古畑を見返す可能性の方がずっと高そう

以上、富井サカナでした。
最後に改めて田村正和さんのご冥福をお祈り申し上げます。R.I.P.

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