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大相撲九月場所11 若隆景ー豊昇龍

 十一日目。今日は玉鷲ー北勝富士、といきたいところだが、より気になっていた一番を。

 若隆景ー豊昇龍だ。

 両者には相撲の型と、体型の両面で大変期待をしている。
 
 まず型に関しては、真っ向から渡り合える力をもっているということ。
 そして、体型の面では、そう大きな体をしているというわけではないこと。
(幕内平均体重160kg程度  若隆景132kg  豊昇龍141kg)

 力士の大型化に伴い、怪我が頻発しているのは周知の通りだが、その起源の1つに小錦、曙、武蔵丸らの存在があると思う。体の大きな米国勢と対等に渡り合うために、貴乃花らが体を大きくしていった。それに伴い、力士の大型化がトレンド化したと見ている。

 それを打破するには。
「体が大きいと勝てない」という状況をつくることであると思う。
 朝青龍の台頭時にもそれを期待したのだが、結局叶わず。
 スピードでも圧倒する朝青龍に、周囲は圧倒されっぱなしで終わってしまった印象が残っている。


 だが、今は体重の差をものともしない力士がたくさん台頭してきた。
 これは大相撲の持続可能性を高める好機だと思う。(今だに人気衰えぬ大横綱千代の富士は120kg台だった!)スピード、技術が体格に勝る流れをこの両力士を中心に生み出してほしい。そういう期待を寄せている二人の好取組。

 前置きが長くなった。立ち合い。
 左を差しにいった?豊昇龍。その腕を右でおっつけ、豊昇龍の左の腕を剥がしてはずに入れる。左も下から当てがって、豊昇龍の圧力を上へ上へ逃していく。圧巻。

「これを初日から…」とは誰もが思うところであろうが、いよいよ優勝争いに絡んできた。しかも、序盤の躓きがあるため、無欲でいけるだろう。結果やいかに。


 結びに勝手な要望だが、優勝は決定戦までもつれてもらわないと困る。
 なぜなら、そうでなければ本場所結びの一番が大関戦となるからである。
 本場所の最後くらい、番付に関係なく、映える力士に土俵を彩ってもらいたい。


 一方で思う。
 
 残り四日間、
 大関の矜持を、
 見せてくれ。

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