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『越えられない夜も、越えて』前書き。本屋さんで試しに本を開くように。

こんにちは。サカナデの主宰と作・演出を担当している、岡本です。
この文章は12月に行う公演『越えられない夜も、越えて』は「こんな作品です」という本の前書きのようなものです。
この文章を読んで、いいなと思ったら観に来てほしいと思って書いています。

映画には予告編があり、本であれば立ち読みができますが、演劇の場合は実際に劇場に足を運んでみるまで内容を知ることが難しいです。

今回は文章で、作品の中身について書きながら、
『こんなことを描いた作品ですが、今のあなたにどうですか』と問いかけるように書いてみようかと思います。
読んだうえで、今の自分にはいらないな、と思うときは観ないというだけです。そういうこともありますね。

僕は僕なりに、この作品のことを書いてみます。
読んだあなたの琴線にふれる部分があれば、
ぜひ劇場へ足を運んでもらえればと思います。

前書きを始めます。

1.公演の概要

まず、公演の日程や出演者の情報からですね
作品の中身は2.以降で書きます!
以下公演概要です

🐟劇団サカナデ 第3回公演
『越えられない夜も、越えて』

○脚本・演出
岡本拓也

〇出演
坪尾光起
七星束子 (青年団)
武藤ののか (演劇ニッケル)

○日程
2022年 12月10日(土)〜11日(日)

○会場
円頓寺 Les Piliers
(名古屋市西区那古野1丁目18-2)


人生に挫折する夜がある
決定的に希望を失う夜がある
そんな夜をいかに過ごして、朝を迎えるのか

やみくもに酒を飲む人も
不倫相手の家をノックする人も
SNS に吐き出す人も
じっと押し黙って待つ人もいる

皆、こんな壊れた現実を生き抜いている以上、
いくらかはインチキが含まれている

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○スタッフ
ドラマトゥルク 久保田千尋
舞台美術 松尾如美
舞台監督・照明 山本存智
音響 平田伝(ハコトバコ)
制作 佐藤和佳(南山大学演劇部「HI-SECO」企画)
衣装・メイク 星野朱音
宣伝美術 柊マフユ
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〇詳細日時
12月
10日(土) 15:00~/19:00~
11日(日) 11:00~/15:00~
※開場時間は開演の30分前です。

〇料金
一般:2200円
U22:2000円
※U22は22歳以下が対象です

予約はこちらから
越えられない夜も、越えて 予約フォーム (quartet-online.net)

2.今回の作品で描いていくこと

今回の作品はまず、結婚式を控えた、同棲カップルを中心としています。
彼らのもとに訪れた3人目の登場人物の存在により、
長く付き合ってきたカップルが「わかっているつもりになっていた相手の、わからない部分」と向き合うという筋の話です。

カップルと一言でいっても、その様相は、付き合っている期間によって変容していくと思います。付き合いたての燃えたぎるような熱量の恋愛期があり、落ち着いたり、倦怠期に入ったり、さらにもっと続けばお互いのことがある程度わかってきたうえで、穏やかに過ごす凪のような時間も訪れる。

燃えるような恋愛にも一定の書くべき価値があると思いますが、本作ではどちらかといえば凪のような穏やかな状態の期間を過ごすカップルが現れます。しかし、実際のところ長く付き合っていようと、お互いのことを理解しあうなんて無理で、表面上出ていなくてもふつふつと不満やすれ違いが起こっているのです。

去年、サカナデの第2回公演『触れない』は同じくカップルもので、性愛的なすれ違いを描きました。特にセックスレスをどうするのかという問題。
今回もその要素を一部分引き継いでいます。
皆、自分の身体の満足と心の満足が思うようにかみ合わずにいます。

第2回公演の映像は全編公開しています。今回の作品にも類似しているので、良ければ映像、少しでもみていただければ作品の空気が伝わるかなと思います。

サカナデ第2回公演『触れない』全編映像

恋愛のことばかり書きましたが、
恋愛だけではなく、人は悩んで悩んで、夜眠れなくなることがあります。

眠れない夜を、例えば暴飲暴食したり、昔の恋人に連絡したり、SNSに書き込んだりしながら、それでもなんとか生きていくんだと思います。
本作の登場人物もそういう普通に素朴で、ダメな部分も真剣な部分もある、人達です。

3.稽古は進む

稽古については少しだけ書いておきます。
夏ころから稽古を開始しました。

辛いとき、どうやって夜を過ごしているかという話を俳優ともしました
長く付き合っているカップルは、どんなふうに接しているか、
カップルの何でもない朝を即興で演じたこともありました。

そうした積み上げの先に戯曲が生まれていきました。
時間をかけている分の作品の強度にはなっているかと思います。




4.最後に

以上で、前書きは終わりになります。
読んでいただきありがとうございました。
良ければ、劇場でこの作品を見届けていただければと思います。
たった一人のあなたに届きますよう。

越えられない夜も、越えて 予約はこちらから (quartet-online.net)

文責:岡本拓也

おまけで、作家プロフィール
岡本拓也:2018年ころから戯曲執筆開始。
最近の活動は
・3年かけて長編演劇を作る企画、ミエ演劇ラボにて過疎地域に移住した人々を通じて、コミニティの崩壊と再編を描く『超現代』を執筆
・劇作家協会東海支部に所属、運営活動中

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