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06 新鮮な後輩

上司「それじゃあ、お疲れ様〜」

部下「お疲れ様です!」

(乾杯)

上司「っかあ〜〜!やっぱビール最高っすね!」
部下「それにしても今週はよく頑張ってくれた。酒がうまいだろ。」

部下「はい!」
上司「遠慮せずにどんどん好きなもの頼んでくれていいからな。」

部下「いいんですか!」

上司「当たり前だ〜、お前は期待の新人だからな」

部下「まあ、そうですよねえ〜。」

上司「ちょっとは謙遜しろ〜!」

部下「すいません、じゃあお言葉に甘えて。」(注文する)

上司「そういえば、こないだ困った事があってな。」

部下「困った事。。ですか?」

上司「ああ。」

部下「聞かせてくださいよ。」

上司「ちょうど1ヶ月前に息子と娘の運動会があって」

部下「え!先輩娘さんもいらっしゃったんですか?」

上司「言ってなかったか。男女で兄弟なんだよ。」

部下「そうだったんですね。」

上司「それでな、朝から場所取りに駆り出されちゃってさ、」

部下「うわ、大変ですね。」

上司「こっからがもっと大変だったんだよ、それでな」

部下「っかあ〜〜!やっぱビール最高っすね!」

(間)上司「ああ。ビールはいいよな。」

部下「続けてください。」

上司「ああ。ほら俺って高校時代400mでインターハイ準優勝してるからさ。」

部下「え?先輩、陸上やってたんすか?」

上司「あれ、言ってなかったか。そうそうそんで親子リレーがあってさ」

部下「っかあ〜〜!やっぱビール最高っすね!」

上司「A君。」

部下「はい。」

上司「ちょっと新鮮過ぎるのかも。」

部下「。。。ハムカツが、ですか?」

上司「ハムカツなわけないだろ。まだハムカツ来てないだろ。」

部下「あ、そうか。」

上司「ビール飲んだ時のリアクションが毎回新鮮すぎるんだよ。」

部下「はい?」

上司「お前が毎回毎回"っかあ〜〜!"ってやるからペースが無茶苦茶になって話にくくてしょうがない。」

部下「そんななってました?」

上司「なってたよ。鮮度落として聞いてくれ。」

部下「すみません。」

上司「それでな、そうそう。運動会に弟家族の子供も来てて弟が体調崩してきてなかったのよね。それで弟家族の子供が3人いるから、合わせて500m走る羽目になって、現役時代より100mたくさん走ったんだよ。」

部下「。。。」

上司「俺この話したっけ?」

部下「いや。」

上司「じゃあもっと新鮮にしないと。」

部下「ハムカツを。。ですか?」

上司「リアクションをだよ。ハムカツに鮮度もクソもないだろ。」

部下「すみません、リアクションをビールに合わせたら。」

上司「さっきまでビール以外のリアクション100点だったから。」

部下「ビールは?」

上司「ビールは0点。」

部下「。。」

上司「いいか、ビールは一口目だけ新戦なリアクション。
   先輩の話は、2回目だろうが3回目だろうが、
   新鮮なリアクション。
   初めて聴く話なら尚更な。」

部下「矛盾してませんか、、」

上司「大人の世界はな矛盾だらけなんだよ。」

部下「難しい。」

上司「お前ならできる。期待の新人だからな。」

(注文の品が届く)

部下「はい、これで全部です。(店員に向かって)」

上司「あれ、ハムカツは?」

部下「頼んでないです。」

上司「ちょっとお前、疲れてるな。」

〜終~


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