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曼荼羅思考の薦め


曼荼羅(まんだら)とは、
密教の経典に基づいて、主尊を中心に諸仏諸尊の集会する楼閣を模式的に示した図像です。
曼荼羅は、古代インドのサンスクリット語で「本質を有する物」を意味します。
広く「円状のもの」を指し、インドでは、神々や仏・諸尊を安置して祭るために、円形状や方形状に仕切られて聖域化された場所を意味しました。
曼荼羅には、幾つかの種類があり、宗派によって絵柄や世界観に違いがあります。
中央に、宇宙の真理そのものとされる大日如来を、その周りにさまざまな仏や菩薩が一定の秩序にしたがって描かれています。

曼荼羅図は、密教の信義や定説を元にそこに描かれた意味を理解する事も重要ですが、同時に素直な心で向き合い、仏の心を想像する自由も与えられているのです

言葉によって想像の自由を束縛しない曼荼羅。

それは、人種、時代、国柄を超えた永遠普遍の真理が描かれているという証です。

曼荼羅思考とは、多様な人間が個々の役割と尊厳を認め合い、個性を明確にしながらも、見事に全体の調和がとられている状態を形成する思考です。

曼荼羅思考は、デザイン思考のさらにその先にある思考だと思っています。

重要なことは個の個性を殺す全体主義ではなく、互いに干渉し合わない個人主義でもありません。個の個性や役割を最大限活かし、互いに尊重しあい、繋がり合い、全体の調和を図ることにあります。

この世に生を受け、今生きている人間にはそれぞれに役割があるこことを曼荼羅は教えてくれます。

曼荼羅は、この世に必要のない人間など1人もいないことを教えてくれます。

男と女、人種、健常者と障害者などの緯糸と赤ちゃんから老人までの経糸が織りなす錦織の美しい世界がこの世界です。

これは、国の在り方、地球の在り方、宇宙の在り方の理想です。

空海が命がけで持ち帰った意味に想いを馳せる

今日この頃。

和文化デザイン思考 講師
成願義夫

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