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フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化20 2.2.8 即興プレーは創発の結果である

即興プレーは創発の結果である:

創発について、マイケル S. ガザニガの著書(〈わたし〉はどこにあるのか:ガザニガ脳科学講義:2011)には、このように書かれている:

創発とはミクロレベルの複雑系において、平衡からほど遠い状態(無作為の事象が増幅される)で、自己組織化(創造的かつ自然発生的な順応志向のふるまい)が行われた結果、それまで存在しなかった新しい性質を持つ構造が出現し、マクロレベルで新しい秩序が形成されることだ。

私は、フットボールのダイヤモンド・オフェンスは自己組織化攻撃であり、フットボールというスポーツそのものが自己組織化があると考える。なぜなら、2人以上のプレーヤーが相互作用して自己組織化すると、創発が発生し、それまで存在しなかった新しい性質を持つ秩序が形成されるからだ。

これがフットボールやその他のチームスポーツにおいての即興プレーの本質であると思う。フットボールに同じ状況は2度と存在しない。同時にフットボールは多くの場合、類似した状況においてのプレーが繰り返されるスポーツだ。

よって、フットボールをプレーするには、即興プレーが非常に重要である。なぜなら、フットボールのプレーそれ自体が即興プレーであるからだろう。

フットボールはチームスポーツであり、プレー中に「社会的感情の優位性(プレーヤー間の関係の優位性、グループの優位性)」を獲得する必要がある。集団スポーツであるフットボールは、チームメートが互いに相互作用し、自己組織化が行われた結果、創発が発生する。その創発の結果が即興プレーという形として現れるのだと考える。


引用・参考文献:

S. ガザニガ・マイケル.〈わたし〉はどこにあるのか:ガザニガ脳科学講義. 紀伊国屋書店. (2014). 155. 

Goldsten, J. (1999). Emergence as a construct: History and issues. Emergence: Complexity and Organization, 1 (1), 49-72.


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