見出し画像

左利きのススメ

3月の或る日、突然右手が上がらなくなった。昨夜まで何でもなかったのに肩を上げると90度で止まる。左手を添えると上がるけど右手だけだと思うように上がらず、しかも痛い。
身に覚えがあった。世間で「五十肩」と呼ばれる痛み、突然現れて突然消える。私は40代の頃突然なって半年たったら突然直った。あれから10年以上経ってまた再来した模様。但し当時が右肩だったか左肩だったか記憶が無い為もしかしたら逆の肩かもしれないと思う。片方だけしかかからなかったので残ったもう片方が60代の今来たのかもしれない。

肩の痛み|痛みの疾患ナビ|痛みの情報サイト - 疼痛.jp (toutsu.jp)

ヴィアトリス製薬(VIATRIS)が提供しているサイト情報で原因、症状、治療法が掲載されていた。同様の痛みがある人は参考にしてほしい。一般的に五十肩と呼んでいた痛みは「肩関節周囲炎」「肩蜂下インピンジメント症候群」「腱板断裂」の3種に分かれているようだ。
治癒までに1~4年かかりその期間が3段階に分かれている。痛みを伴う炎症期、痛みは軽減されるが肩関節の可動域が制限される拘縮期、拘縮と可動域の改善が見られる回復期を経て治る。
私はまだ炎症期の中にあり、動作に痛みが伴うし夜間痛もある。夜は一旦寝ても痛みで目が覚め次になかなか寝つけない。痛いなーと思っている内にカーテンの向こうが明るくなってくる。そういう日が数日続くと目が覚めず朝まで寝られる。痛みと眠気の攻防戦でたまに眠気が勝ち安眠できるという毎日だ。3段階の未だ1段目、階段を登り切れるのはいつ頃だろう、先が長い。

右肩が痛いだけで指先は動く。なのでキーボードも打てるしペン字も書ける。右肘を起点にして指先を動かすと肩にはそんなに響かない。なってみて気づいたことだ。
私は生まれつき左利きで小学3年、4年生の2年近くをかけて右手を使えるようにした。昔は今のような個性の時代ではなく世間の常識に自らを合わせないといけないような空気の世の中だった。だから病院もアドバイザーも関係なく親の言葉からの使命感で自分を規して直した。それまでの左利きの頃に使い始めた鉛筆、お箸、この2つが毎日のことでいちばんのネックだったけど泣き泣き慣れて行った。だから鉛筆もお箸も左右両方使える。テストの時には右手に鉛筆、左手に消しゴムを持てるから重宝した。

だけど当時使っていたハサミや包丁は直らなかった。いや、できないことはない。でも安定感が無く、器用に同じ細さで素早く切り続けるのは無理だった。危険を伴う道具だから無理に使うことも無い。何度かチャレンジしながらもこれらは諦めることにした。だから今もハサミと包丁は左利きのままだ。大人になって脳の働きを学ぶ機会があり右脳は情報認識と整理、記憶に関わっていることが判った。左脳は言語理解や計算力、論理的思考を司るらしい。頭と体は首のところで左右交差しているので右脳(記憶)には左利きは有利なのだそうだ。私は左利きだから知らず知らずのうちに右脳を鍛えていたことになる。10才前後で右利きに代え始めたので左脳も鍛えることになった。
その後も両利きのごとく左右を使い分けているので、長い人生において右脳と左脳を自然にバランスよく使える人となった。ラッキーなんだと思う。

脳の働きでラッキーと書いたけど今肩の痛みとつきあう中、私は2度目のラッキーを感じている。料理をするには鍋を取ったり、高い扉の食器を探したり、包丁も肘を起点とはいかないので(イメージ的にだけど)肩から落とすことになる。これを全部右手でしていた人はいきなりつらい生活になるだろうと思う。私は逆に左手を使い慣れているから負担がまったく無い。
(話戻るけど、そう言えば最近長く使ってないけど縫い針も左で持っていた。危険な物はやはり左手が本能的に安心安全なんだろう。無理矢理矯正はしたけれど生まれながらの左利きなんだと思う)
ということで今は料理や重い物を持つのは左手、軽い物、指先だけのことは右手も使って行っている。この生活なら2年続いてもまったく支障なさそうだ。人の手を借りることなく外にも出られる。ラジオのボランティアも支障なくできて助かる。去年は右脚の故障で渋谷駅の階段が上れずボランティアも行くのを断念したけど脚が治り腕だけだと街中を歩くのも周りの人に気づかれず気楽だ。

一般の右利きの人たちは多分左右の手の使い分けは「左1:右9」か「左2:右8」程度だろう。私は「左4:右6」だったのが今は「左6:右4」くらいの割合で生活していて、ほんのちょっとの切り替えで済んでいる。
先日中居正広さんの「金スマ」を視ていたらゲストのスノーマンに左手でスマホを打つアドバイスをしていた。面倒だし時間かかるしで若い人はなかなか素直には受け入れがたいかもしれないけどこれは凄く良い提案だ。普段から左手を違和感なく使えるようになるといざという時に不便や不都合を感じることも無く使える。(中居さんはきっとダンスなどでの優位性を説いてたんだろうけど、将来も多方面役立つ場面があると思う)
両手を使うと脳にも良い影響が必ずある。右脳と左脳の働きが違うなら両方に大小なく刺激を与える方が良い。左手を使うと右脳(記憶力)がアップするなら当然若い人も仕事に良い影響があるし、老後なら認知力にも関係してくる。左手を今まであまり使ってなかった人こそこれから左手を動かす様々なシーンを自分の生活の中に見つけて積極的に取り入れていってほしい。

私のように突然片手が使いづらくなった時でも日常の動作を自己完結できると不安が最小限になる。身体的にだけでなく脳機能にも役に立つ「左手」だから更に自在に使える高機能アイテムに成長させてみよう。
まずは鉛筆で「〇」を書くのはどうだろう。書き始めた点に鉛筆を戻すのは案外難しい。右手だと「→ ↓ 」(時計方向)にペンを走らせるけど左手だと逆で「← ↓」(時計の逆回り)にペンを走らせることになる。これになれると左手で「→ ↓ 」手を引き寄せるのではなく逆方向に動かせるようになる。左手で右手の書き順にも対応でき、もっと慣れると鏡で見たような文字が書けるようになり、最後は両手で鉛筆を持ち左右対称文字を同時に書けるようになる。ここまで来たら自由自在だ。私は小学生の頃こうした遊びを良くしていた。

長く生きてきていろんな情報を身に着けて感じることだけど、左利きを目指しうまく行き両利きになれればきっとこの先の人生で善かったと思える場面がたくさん出てくると思う。紙もペンも無ければテーブルや座った膝の上で左手の指でそっと指文字を書いてみよう。力の入れ具合や縦横の長さのバランスなど意識しながら時間のある時に暇つぶしにするだけでもいい。道具も何も要らない役に立つ、そんな「左利きのススメ」を書いてみました。

余談だけど、前述の金スマの場面で中居さんの助言を聞いて左手でスマホを打っていた人が数名居た。左手を使い慣れてないと例えばダンスの時に本人は両手を同じ力で大きく張ったとしてもどうしても利き手の方が力が入るから指先での表現が違ってくると思う。佐久間さんは私の周りの人たちの話でも指先や(脚の)つま先まで神経が行き届いたダンスだと評判が高い。握力や脚力が左右違うとダンスの瞬時に同じに合わすのは難しい。なら握力脚力を普段から同じにしておくことは綺麗なダンスをする為にも大きな利点になるのではないかと思う。
中居さんや佐久間さんがそこまで考えて左手を意識していたかはわからないけど凄く理に適った話をしていたと思う。また、左手が右脳に通じていて記憶力とも繋がっているならあれだけの曲数の歌詞やダンスを素早く覚える為にも必ず役立っている。私はダンスは未経験素人だけど左利きのプロとしてそのように見ている。それと、こうしたらいいよという先輩の助言を2年間守っていた佐久間さんの性格に好感度が「⤴」上がった。・・・余談でした

(後日、上記左手スマホ打ちは録画を観返したら、佐久間さん、向井さん、深澤さんがそうだった。素直なのか、向上心なのか、いずれにしても素晴らしい)

Photo byfeaturecompass
タイトルの画像にnoteのフリー素材をお借りしました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?