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理想のコミュニティ

長男が年長の秋、引っ越しをした。
小学校に知り合いが少なくて苦労した。

小学校の隣にある公立幼稚園出身の子どもを持つお母さん達が、幅を利かせていた。当時二歳だった次男はそこに入れようと思った。

小学校でできたお友達に、公立幼稚園に入る予定のお友達いないかしら…と聞いてまわった。

地域にお母さん達のバドミントンサークルがあって、下の子連れてくるひともいるから、あそこに行ったらいると思うよっと誘われた。
(ゲッ、バドミントンしなきゃいけないの?…私はアメトーークの運動神経無い芸人レベルにスポーツが苦手なのだ…。)

結局子どものためだと頑張って通い、次男はお友達もできて雨でも遊べて上機嫌。同い年の男の子が二人いて、いつも三人仲良く遊んでいた。
(私は案の定全くラケットにシャトルが当たらず、あまりに迷惑をかけるのが申し訳なくて、こっそり別の初心者向けバドミントン教室に通う。)

会費はシャトル代として参加一回につき100円、対外試合なし。
参加資格も特になく、純粋にお母さんや未就学児の交流目的のサークルだった。新しくお友達を連れて来たり、仕事を始めて来れなくなったり、メンバーが変わりながら存続していた。

なかに化粧品販売の仕事をしているお母さんがいて、私もハンドクリームを買ったことはあったし、メイク指導してあげると言われ、家に遊びに来たときにメイクをしてもらったこともあった。
ただ、化粧品は高いので買わないよっと念を押していたし、それを強く押されることもなかった。
だけど、なかには断りにくいメンバーもいたようで、最近○○さん来ないねって話してたら、化粧品のセールスが嫌でバドミントン避けていると聞くことがあった。
それを聞いた中心的存在だったお母さんが激怒し、「ここでセールスするなら出入り禁止にするっ」と強く言ってくれたらしく、それ以来化粧品セールスのお母さんは来なくなった。

コミュニティには目的があり、参加しているひとによって少しずつ違うのだけど、あまりに逸脱されると、違うなと思うひとは黙っていなくなる。

そんな、永らく私の居場所だったバドミントンサークルだけど、私も次男が小学校に入って働き始めてから行かなくなった。
次男の小学校デビューは、長男のときに比べて格段に楽だった。

その時一緒に遊んでいた男の子三人組のお母さんとは今でも仲が良く、ランチに行ったりおしゃべりをしたりする。
子どもの為に仕方なく始めたバドミントンだったのに、子ども達の進路はそれぞれ違っても、私たちは今も仲良しだ。



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