独立すると起きる「陰と陽」のお話し。
今日は、コーチングスキルなどのお話じゃなく、私が独立したときのお話し。
会社員から、ふと思い立ってコーチとして独立して14年。
当時は本当に「ふと思い立って」ってぐらいな気持ちで最初から「株式会社」にして独立してしました。
昨今の方々が「起業セミナー」などに通ってから独立するようなものではなく、当時は「そっか、今の仕事続けるのか、転職するか、独立しようか」の3択でした。
最初からうまくいくことなんて、まったくない毎日をちょっと振り返って誰かの役に立てるといいなと、過去を思い出してみました。
駆け出しの頃
会社員から独立して、仕事も多くない状況でやっと研修のご依頼をいただけて「さぁ頑張るぞ」って気持ちでエネルギーを注ぎ始めると、家族のトラブルが起きる。
例えば、夫が会社にいけなくなり、企業研修先に朝早めに伺って研修準備をしていると電話がなり、番号をみると夫の会社から。
「ご主人、出勤していませんがどうしましたか?」
「・・あ、すいません。そうなんですね。いま、確認します」
ってな具合で、夫はその頃、朝になると嘔吐やめまいで体調が悪くなり会社にいけないことがたびたびあり、そうなると会社からも心配して電話がかかってくるのです。
「ああー、仕事に集中出来ない」って心の中で、小さく「チッ」と呟いて、仕事に戻ろうとするけど「どうなってるんだろう、まためまいなのかな」など気持ちがここにあらずになってしまう。
そのたびに「どうして、このタイミングで?」と妙な自問自答が始まる。
仕事が少し軌道に乗ってきた頃
新卒で都内のIT系の上場企業に就職し、華やかな社会人生活をおくると思っていた娘が、精神的にまいってしまって、休職することになる。
夜になると体調が更に悪く、心もしんどくなるようで東京にいる娘から「もうだめかも」って電話がかかってくる。心配で、電話を切ることが出来ない。
心のなかで「明日、大事な大手企業の研修があるのに」と呟く。
でも、大事な娘の話しを聞くことでしか、彼女の様子を知ることが出来ないので、電話を切ることも出来ない、私。
「ああ、どうしてこのタイミングで、、、」と妙な自問自答。
妙なっていうのは、問いを立てても答えなんてないのに。
メンターからのひとこと
当時、独立のときも後押ししてくれた女性経営者に、愚痴ってしまった。
彼女いわく「人生には陰と陽があるのよ」と。
「有名な経営者も、会社が大きくなるタイミングで家族を亡くしていたり、表にはだしていないけどお子さんが障害をもっていてご苦労されていたり、なにか大きな変化が起きるときは、陰と陽のように、家族のなかのバランスにも変化が起きていることが多いのよ」
そう話ししてくれた彼女も、独立して最初は自宅で仕事をしていたのだけど、夫からどこか事務所を借りて仕事したらと言われて、彼女も事業がうまくいく広がりはじめていたから事務所を借りた。
そのタイミングで、夫が倒れて亡くなり、小さなお嬢さんを抱えて未亡人になって、仕事を頑張り続けて、いまの会社もホールディングスにする規模に成長している。
人生の陰と陽、そして家庭の陰と陽
彼女から有名な経営者の事例を聞いてから、気持ちの持ち方が全く変わった。
「そっか、私が成長、成功しそうなタイミングを家族が知らせてくれているんだ。その時は、足元をすくわれたような気持ちになるけど、それは成長や成功のタイミングだから、力を蓄えろというサインなのね」
そんなふうに考えられるようになった。
頑張ろうと思っているとき、家族が自分を引き戻すようなことを起こすってたくさんあると思う。
例えば、仕事でプレゼン、いままで頑張ってきた成果を今日出さなくちゃ、って日に子どもが熱を出すとか。
そんなときは、自分が成長するサインを教えてくれている、いまここで家族も大事に踏ん張れば、もっと自分は伸びるんだって、家族も自分も責めずに乗り越えてほしい。
人生はドラマチック
私もこれから、まだまだ陰と陽は続くのだと思う。
もしかしたら、今もそうかもしれない。
だから、これを思い出しておこうと思って書いてみた。
いま、がんばって働いている、とくにママとパパに伝わるといいな。
そして、起業したてのママとパパにも、今やっていること、諦めなくてもいい、もっともっと上を目指せる。
ドラマは、山あり谷ありだから、ドラマなのよね。
平凡な毎日はドラマにならない。
素晴らしいドラマチックな人生を楽しもう。