翡翠


翡翠

坂本

信号機、物語る一つ一つの微光
人生を踏みしめる度、一つ一つ撃たれていった
壊れた微光、砂の心へ降り積もる
最初は芝生の青々としたスタジアムだったけど
今は、オアシスのないこの場所

茶目っ気にハナマルをもらえていた頃
笑顔が嘘っぽくなる理由が知りたかった
選別作業が横行しているなんて
思いもしなかった

明るさはいつしかおさらば
以前なら線路沿い鳴り響く音楽はいらない
そう感じていたけど
家路着くまでのおつまみに思える

翡翠のように離さないことで美しい味わいを育んで
色で判別をせず添い遂げて
効力が不確かなお守りじゃなくて
気が付けば安定感あるねって添い遂げて

明るさはいつしかおさらば
以前なら街灯は月明りの模倣なんだ
そう感じていたけど
家路着くまでのおつまみに思える

翡翠のように離さないことで美しい味わいを育んで
色が変わっても添い遂げて
混ぜてくと単色になる三原色じゃなくて
気が付けば唯一つって添い遂げて

翡翠のように認め合うことで美しい味わいを育んで
色で優遇をせず添い遂げて
限られた枠、渡さないじゃなくて
気が付けば一面だねって添い遂げて

信号機、物語る一つ一つの微光
人生を踏みしめる度、一つ一つ鏤める

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