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【漫画原作】『煩悩フリマアプリ ボンノン』第3話 狙われる少年

 死刑執行人を退けて次の日。
 「プレミアムモード出品を一旦取り下げましょう」
 「え?でもまたあいつが出てきたら」
 「私達はあいつのことを何も知りません。対策を練るためにも出現条件を把握しておく必要があります」

 死刑執行人が出現する条件と間隔を知る。
 そして倒せたら倒してしまう。

 平太は決戦に備えて「槍術」と「パルクールの技術」を購入した。戦闘と逃走のためだ。身長も筋肉量も足りないため十分には活かしきれないが、それでも無いよりはずっとマシだ。
 いさりびはというと運営から支給されている装備と「臆病者の危険察知能力」だけだ。
 いざとなったら再度プレミアムモード出品でやり過ごせるだろう。だが高額出品は出品手数料も高い。執行人を避けるためだけにBポイントがみるみる減っていく。
 対処できるなら次で対処しておきたい。
 第二、第三の執行人が来ないとも限らないが。
 そしてもちろん他の人に購入されてしまうかもしれない。せめてつぐ美のためにアイドル事務所とプロデューサーを購入しておきたい。でもプレミアムモード時の出品物を購入した後で執行人の出現がどうなるのかも分かってない以上は、焦って買うのが悪手になるかも知れない。

 いさりびと平太はプレミアムモード出品取り下げ(執行人対峙)に向け、対策に見落としは無いか入念にチェックしている。
 使えるものはなんだって使う。
 いさりびは平太と約10億Bポイントを守りたい。平太の姉に対する異常なまでの愛着が最悪な事態を招かなければ良いが、と考えていた。

 「なんだこれ」
 平太がボンノンを見ながらつぶやく。
 プレミアムモード出品の問い合わせとしてメッセージが届いた。
 値下げの交渉ではあるが、文章がとても怖かった。小6の平太には難しい漢字も多くて全部読み解くことは出来なかったが、要約すると「日本国のために有効利用せよ。日本国の敵を断罪するために協力せよ」というものだった。
 いさりびはため息をつく。
 「面倒な人に目を付けられちゃいましたね」

 スマホにニュース速報が届いた。
 「東京都庁に爆弾を仕掛けたという手紙が届き、一時騒然。職員など避難する騒ぎに。差出人の名前には國を守りし者Zとあった」
 平太がボンノンのメッセージを読むと、最後に「國を守りし者Z」と署名があった。
 よりによってテロリストに絡まれるなんて。


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