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sakakuni ブランドコンセプト①

写真: ブリキボタン(下北沢)

さかくに 坂國

坂國は、おじいちゃんが立ち上げた、男性用高級着物メーカーだ。

おじいちゃんが青年のころ。第二次世界大戦で兵隊として旅立ち、戦後帰還した。おじいちゃんは元々大地主の子どもだったが、大酒飲みの祖父の酒代に全ての土地が取り上げられ、末っ子だったおじいちゃんには何も残されなかった。焼け野原の中でなんの後ろ盾もなくゼロから立ち上げたのが、坂國織物だ。

当時は高級着物といえば女性ものが主流だった。男性向けで高級路線の着物が少ないところに着目して、工場制手工業で着物を織り始めた。織り手は私のおばあちゃんだ。おばあちゃんが織った着物をおじいちゃんが売りに行く。夫婦で始めた着物屋は瞬く間に大きくなり、引退後も悠々自適な生活を送れるほどの財産を築いた。今はもう会社ごと売却してしまっているし、工場も潰して私の実家が建てられた。今でも家には当時から集めたお気に入りの着物がタンスに詰まっているし、おばあちゃんもお母さんも当時の苦労話をよくしてくれる。

無から有を生み出し、己の力で財を為していく、そのかっこいい生き様に憧れる。坂國織物。

おじいちゃんの命の輝きを感じながらその名前をいただく。私も己の力で己の人生を歩みたい。sakakuniを着る誰かにも命を燃やして己の足で人生を歩む、力強さを感じて欲しい。





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