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土砂降りの昼のデパートの屋上

雨の日のデパートの屋上…。

なんだかアンニュイでおしゃれな感じがするではないですか。
いつもならばニギヤカな場所が、裏寂れた感じになっている。
そういう場所にあえて身を置くって、なんだかかっこいいじゃないかと思ったりもする。

冬の日のデパートの屋上。
平日、開店直後のデパートの屋上。
そこって例えば、海水浴シーズンが終わった湘南海岸みたいな軽い非日常感をまとった場所で、ユーミンの大好物。
自分に向き合い、いつもと違った自分を発見できそうな場所にも思えてそれで今日。
ひさしぶりに池袋にきたついでに、西武百貨店の屋上にやってきてみる。

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朝から雨がふる寒い日でした。
徐々に風もでてきて、こういうときに屋上にいる人たちって何を思ってその場所を選んで来ているのか…、そういう人間観察もできるかなぁと思ってエレベーターを最上階で降りたらそこはすんごいことになっていました。
雨というようななまやさしいモノじゃなく土砂降り状態。
床は水浸しでそこら中が池のようになっていて、雨をしのぐためのテントは風でバサバサ揺れる。
そのテントからは雨が滝のようにザバザバ落ちて、テントに守られているはずのテーブルや椅子も水浸し。
途方にくれていると百貨店の人がやってきて、モップで床の水を流しテーブルや椅子もきれいに拭いてくれる。それでもぼやぼやしているとまた濡れるから間髪入れず座る。雨や風との戦いみたいで、感傷に浸るなんてなまやさしいことをできるはずもなくしばし呆然(笑)。

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そんな過酷な状況にあっても数人の人が椅子に座ってうどんを食べてる。
実はこの屋上には「かるかや」という手打ちうどんの店があるので有名で、これがおいしい。

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分厚い平打で、不規則に切られてよじれるように茹で上がる独特な麺が歯ごたえたのしくたくましく、小麦の香りがなんとも旨い。
何より出汁がしっかりしてて、塩の風味がキリッとしている讃岐うどんのおいしい出汁のようでもあってたまに食べにきたくなる。
ただ池袋という生活圏にない店で、池袋に用事があったときについでに…、って使い方。
そのついでの今日がこんな土砂降りというのも何かの縁。雨ニモ負ケズ風ニモマケズ、もぐもぐゴクゴク、食べてお腹を温めました。
こんな雨の日でもワザワザ人を惹きつける、その事実がこのうどんがどれほどおいしいかを雄弁に語る事実でございましょう。


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