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台湾の朝に胡椒餅

胡椒餅って言う料理がある。
台湾の屋台料理で、おやきみたいな形をしてる。サクッと歯切れて、なのにもっちりとした生地の中に胡椒まみれの粗切り豚肉が入っててたちまち手から唇、口の中が肉汁まみれになるオゴチソウ。
タナカくんが大好きで、特に台北の中山寺の門前町にある店に行くたびわざわざ行って食べていたほど。
日本でも食べられないかなぁ…、って探したけれど見つからなくて台湾旅行の目的の一つに大切にとっておいた。

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そしたらここ一年。ポツリポツリと胡椒餅のお店の噂を聞くようになり、しかも先日。四谷の街にそう言うお店ができたと聞いてやってきてみた。
四ツ谷一餅堂って名前で、たい焼きで有名な若葉の向かい側。木造りのかわいらしい造りで朝8時からやっているのもいい感じ。

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かつて台湾料理ブームが何度かあった。一次ブームは台湾小皿料理で酒を飲ませるお店ができた。次のブームは小籠包。今のブームは「朝ご飯」。豆乳のスープや饅頭。その延長線上に胡椒餅。すべてにおいて「小腹満たし」に適した料理ということになるんでしょうね。

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ここの朝の営業時間は朝食メニュー。胡椒餅は11時からという。家から歩いて到着したのが10時半。胡椒餅が焼き上がったら頂戴しましょうと、まずは豆乳のスープをもらう。
シェントージャン。

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豆乳にお酢を混ぜれば朧豆腐ができるという、その原理を使った単純なのにおいしい料理。ここでは干した桜エビに菜葉の酸っぱい漬物に刻んだ揚げパン。ラー油をかけて風味をつけてる。

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揚げパンが豆乳を吸い込みとろんとろんになってるところがたまらぬおいしさ。
そういえばこの揚げパン、油条を熱々の杏仁スープに浸して食べるのが好きだったよなぁ…、って思い出す。

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お供に胡麻のパイ。
ザックリとしてボロボロ崩れるパイ生地が、胡麻の餡と混じり合ってたちまちとろける感じがおいしい。
甘味よりも胡麻のえぐみや風味が強く酸っぱい豆腐のスープにぴったり。

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厨房の方からおいしいにおいがやってきて、胡椒餅が出来上がる。

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胡麻をびっしりまとった生地。台湾の屋台のそれより小さくてまさに小腹満たしにぴったりサイズ。

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かじるとホロリと生地が歯切れてて中からゴロっと粗切りの肉。青菜も一緒に収まっていてしっとりとしたやさしい食感。肉の香りと一緒に五香粉や八角の香りが漂い気持ちがススっと東シナ海を超えていく。
肉汁まみれというわけにはいかなかったけど歩いてこれるところにこういうお店があるってありがたいなぁ、ってしみじみ思う。台湾に行きたかったなぁ…、Wホテルに泊まってね。わたり蟹のおこわに牛肉麺に水餃子。もちろん胡椒餅、と食べたいものは数しれず。


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