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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2021年6月の記事一覧

ビフカツカレーのカレーはソース。カツレツの味を邪魔しない。

タナカくんが逝ってから14回目の23日。今日は伊勢丹の中を散歩する。 館の中に入ると年中気温は春か秋。外は雨でも中は晴れ。上下移動はエスカレーターかエレベーターでススイと行けて、なによりそれほど大きくはない。 隅から隅まで歩いても疲れない程度の空間にぎっしりゴキゲンが詰め込まれている。住む場所をどこか一ヶ所自由に選べるとすれば文句なくこの伊勢丹の新宿店…、って二人でいつも話していたほどオキニイリ。 のんびり歩いておしゃべりをしてお腹がすいたら食堂街。今日は洋食の西櫻亭にやっ

ステーキダブル、念願のサラダ大盛り、スープ付き

ヨドバシカメラに用事があって西新宿。それが終わったのが11時ちょっと前で、「ルモンド」の前を通ったら開店待ちの人が4名。これ幸いと後につく。 人気の店で、かつては開店30分ほど前には客席数を超える人数が並んでしまっていたことを考えるならありがたくもあり、申し訳なくもあり。 開店5分ほど前にお店の人が注文を事前に取りに来る。 ほとんどの人がメニューも見ないで注文していく…、それほどおなじみさんが多い店。かく言うボクももう注文は決まってて、リブとヒレの盛り合わせにサラダ大盛り

雨の土曜日にアナゴフライと鳥豆腐

銀座の路地がボクを呼ぶ。 大衆割烹三州屋。銀座二丁目のビルの谷間に小さな路地。その突き当りに大きな看板、暖簾が揺れる。 その暖簾には店名と一緒に「御食事」「活魚一品料理」と書かれてる。 御食事とは飯とおかず、そして汁。お腹を気軽に満たすことができるということ。 活魚一品料理はそれを肴に酒を飲んで語らい、たのしい時間をお過ごしくださいということで、つまり食堂使いもできる居酒屋。でもそう直接的に言うと想像力を発揮させる余地をなくして粋じゃない。 「大衆割烹」という時代遅れに聞

地下鉄に乗っていけるアメリカ

今日は朝から「丸の内線にのっていけるアメリカ」に行く。 東京駅の八重洲地下街にあるバビーズヤエチカでちょっと遅めの朝ごはん。 アメリカの日常料理とパイがおいしいカジュアルな店。 入り口脇にパイのショーケースが置かれた物販コーナーがあり、しばらくご無沙汰していたらショーケースの横に大きなブタさんが何かを食んでいらっしゃる。 この地下街もお店も人出はかつてにくらべ少なくて、さみしい店頭をにぎわしている。愛らしい(笑)。 朝の時間は静かです。アメリカンスタイルのパンケーキが人気

パラパラご飯の石焼ビビンパにチヂミ

家に帰る途中で早めの夕食。妻家房にくる。 一階に韓国料理の食材売り場。奥にキムチ博物館なんて施設が併設されていて、そのイートインという性格もあるのでしょう。 二階のレストランは中抜きもせずずっと営業。 お店のほとんどのスタッフは韓国系。それも女性ばかりで韓国の食堂みたいなムードがあるのがオキニイリ。 テーブルにつくとまずおかずが2種類。 今日はもやしのナムルと甘いジャガイモサラダがお皿に入って登場。冷たいコーン茶がやってくるのがお約束。 控えめサイズの石焼ビビンパとチヂミ

西洋料理のシチューの日本料理的解釈

シチューを食べたい。朝、目が覚めてまっさきに頭に思い浮かんだのが「銀之塔」の土鍋のシチュー。 銀座に行きます。丸ノ内線の銀座の駅から築地に向かってテクテク歩き、三越を超え東銀座の駅も過ぎ、歌舞伎座の裏というロケーション。 蔵造りの建物に「グラタン・シチューの店」の看板が見えてくる。 歌舞伎役者やご贔屓筋。出版社も近所にはあって、おいしいものが好きな人や発信力のある人たちが集まるエリア。 だからおいしい店がたくさんあって、ここもそういうお店のひとつ。 お店に入ったときにはテ

焼いたハムを手づかみする楽しさ…、銀座ウエストのハムトースト

キラキラが足りてないなぁ…、って起きて思った。 毎年この時期になると気圧の変化の激しさに、気持ちが安定しないのだけど今年も今年もちょっと胸が重たい。 映画を観ても音楽を聴いても泣いてばかりでココロが晴れない。 暗い気持ちには暗い考えが取り憑いてろくなことはない。そんなときにはキラキラした場所、キラキラしたものでココロを晴らしてやろうとそれで「銀座ウエスト」にやってくる。 眩しいほどに真っ白なテーブルクロス。モケット織りの背当ての布も白くてパリッと糊がかかってる。冷たい水で表