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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2020年12月の記事一覧

ウニとそばがき、甘長にエビ

おいしいそばを食べながら、ほっこりしたいなぁ…、って思ってそれで「大庵」。 「そば屋」というより「そばがおいしい日本料理のお店」という感じ。 夜にくると日本酒やワインを片手に料理を味わい、そばで〆るという楽しみ方ができる大人のお店でもある。 夜ほど多彩ではないけれど、昼にも蕎麦前料理が豊富に揃いお酒をたのしむお客様もいる。 ちょうどボクの隣の席に、茹でた枝豆をトゥプントゥプンと指で弾いてつまみつつ焼酎のお湯割りを飲むおじさまがいる。なんと粋なお昼でござろ。 ボクは健康的に

まもなく100年。昔ながらのあたらしい味

長い間、王ろじに来てないなぁ…、と思って王ろじ。 創業大正10年。1921年のコト。 路地の王様になろうと努力を重ねて100年間。たまたま選んだ路地が伊勢丹という東京にもいくつしかない巨大な重力をもった集客装置の近くの路地だった。 諸説あるけれど、日本のとんかつの発祥の地ともされる店でもあって、そう思うと看板に書かれた「昔ながらのあたらしい味」というキャッチフレーズも重さを感じる。 ただ一瞬、あたらしいと言われる何かを考えることは簡単だけど、「あり続ける」ことは大変。い

ヒラメのボンファムと一緒に銀座の空を回る!

上等な料理で疲れた気持ちを癒したい…、と有楽町で思うと選んでいたのが銀座スカイラウンジ。コロナの直前に利用して直後にバタバタしちゃって日記にしていなかった画像をもとに思い出し出し、例えばこんな昼でした。 東京會舘が運営しているレストラン。有楽町の駅前にある交通会館の最上階。円盤状の構造物が丸ごとお店で、小一時間かけてぐるっと一周する。 窓の外に変わる景色を眺めながら優雅に食事を…、という施設は今や絶滅寸前。 「ニューオータニの上も回らなくなっちゃいましたねぇ」ってお店の人

自由な空気がおいしい新宿ベルク

ベルクがちょっと足りてないなぁ…、と思ってベルク。 家を出るときから「今日は多分ベルクだなぁ…」ってぼんやり思うとなんだか自然とウキウキしてきて、気づけば気持ちが小走りするように先へ先へと向かってく。 地下鉄で3駅。新宿駅に到着してエスカレーターにスルンと乗って、階段あがってお店の前に着く頃合いにはお目々ぱっちり。 お腹もグーッ。お店に飛び込む。 天井からは「ベルク30th」の旗がはためく。今年で30年もやり続けてる。やれ続けたと行ってもいいほど、何度も苦境に見舞われてその