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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2019年12月の記事一覧

オステリアナカムラで年の瀬をことほぐ

今年も大詰め。この一年をステキにしめくくるようなおいしいものを…、と、オステリアナカムラにくる。 お店に入るとマダムがとびきりの笑顔で迎えてくれて、厨房の中では陽気なご主人が料理を作る。 厨房の様子の一部始終をながめられる一等席。 カウンターのいつもの席をもらってしあわせな時間のはじまり、はじまり。 まず8種類の野菜のスープ。 野菜のブロスで緑の野菜をコトコト炊いた緑のスープ。カップにたっぷり注いだところにチーズをおろし大きめのクルトン。オリーブオイルをほどこし食べる。

築地、フォーシーズンのスパゲティーは大葉まみれ

築地にちょっと用事があってフォーシーズン。 築地場外のニギワウ通りに面したビルの二階にあって、朝早くから営業している喫茶店。 早い時間帯は飲み物だけの営業で、9時半からはじまるスパゲティーが人気のお店。 20種類ほどメニューはあるかなぁ…、特徴的なのはスープスパゲティーの種類が充実しているところ。朝早くから河岸で働く人たちの、冷えた体を温めるなら熱い汁とかスープがぴったり。それでスープスパゲティーの種類が増えていったのかもなぁ。この地ならではのたのしいメニュー。 5人がけ

冬の美味です、あられそば

朝から浅草。野暮用こなして時計を見ればランチどき。 午後から人に会うようがあり、気持ちはちょっとせわしない。ただ今の季節に浅草にきて、食べておかねば後悔するんだ…、と尾張屋本店にやってくる。 ショーケースを見るとある、ある。あられそば。 早速たのんでズルンとたぐる。 熱々のそばの上に海苔を一枚。その上にアオヤギの小柱をちらして仕上げる冬の蕎麦。海苔の香りが力強くて目の前に磯辺があるような気持ちにすらなる。 海苔が汁を吸い込んでゆっくり沈む。生の小柱に熱が徐々にはいって白味

今ここにあるアメリカ、バビーズの朝

ひさしぶりの「バビーズヤエチカ」。 アメリカを強烈に感じさせる空間で、料理も正しくアメリカ的。 ぼんやりしてるとここが東京駅の近く地下街ってことをすっかり忘れてしまえる。 サービススタッフのネルシャツ、ジーンズって装いもアメリカの学生街のダイナーみたいな感じでたのしい。 コーヒーをたのむと大きなマグに大きなミルクが入ったピッチャー。 テーブルサイドにはブリキの缶に突っ込まれた小分けの砂糖。ソルタンペッパの容器に大きなケチャップ、マスタードのコンテナとしみじみアメリカ。

山の上ホテルが営業再開とあいなりました

お茶の水の山の上ホテルが改修工事のために長らく休業してた。 古い建物はメンテナンスにコストがかかる。改修したとて新しいビルに比べれば使い勝手は数段落ちる。だから壊して建て替える…、というのが合理的な考え。それで東京の風情あるビルが次々姿を消していく。 改修という道を選んだ勇気に惚れる。 休業期間が11月の末で終わって12月からリオープン。早速きました。朝食を食べに「天ぷら山の上」。 場所は変わらず、ただ入り口の位置がつけかわり風情たっぷりのアプローチ。店の構造、設え、ムード

おかえりなさい…、と言われたような。

徳島で仕事を終えて、飛行場に移動するまでの小一時間。 オキニイリのお店で虫を養う。たかしまコーヒー店というお店。 駅から3分ほど歩いたところ。たった3分で駅前のにぎわいはすっかり失せて、夜にはさみしい場所に着く。 こじんまりとした店で中に入ると20人ほどが座れる大きなテーブルとカウンター席。4人がけのテーブルが3つほど。おなじみさんでにぎやかなときもあり、しみじみ静かなときもあり。 今日は静かなお店にお客様はボクひとり。おひさしぶりですってお店の人に挨拶されて、これから東京