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哲学対話「みみここカフェ」について聞いてみたら、何かを成し遂げるために必要なことについて学ぶことができた。

こんにちは。一般社団法人4Heartsにプロボノとして片足突っ込ませてもらっている社会人15年目のsakakinです。
今回は、以前のインタビュー記事で紹介した、はなさんと4Heartsとの出会いの場となった「みみここカフェ」について、誕生のきっかけや、活動を通じて得られたことなどなど、代表のかおりさんと理事の愛佳さんに聞いてみました。


哲学対話「みみここカフェ」って何?

哲学対話「みみここカフェ」とは、一般社団法人4Heartsが2020年10月から実施している対話イベントです。(※現在は年1回開催となっています。)

このイベントは、東大の梶谷真司教授が提言している”哲学対話”の考えに則り、「何を話してもいい」「人の話すことに対して否定的な態度をとらない」「知識ではなく経験に基づいて話す」などのルールの上で対話をするといったものです。

哲学対話の10のルール

聴覚障害当事者やそのご家族だけでなく、LGBTQや持病を抱えている方など、老若男女問わず多様な方が参加されました。


誕生のきっかけは?

そんな「みみここカフェ」が誕生したきっかけは、2020年3月に開催された、「チガラボチャレンジ やりたいこと宣言&いっしょに考える会」でかおりさんが発表したことがきっかけだったそう。
(ちなみに、その時にかおりさんが発表した”やりたいこと”の軸は4年経った今もブレていないんだそう。実現のために日々奮闘している姿には心打たれます。)

チガラボチャレンジは毎月2名の方がやりたいことを発表し、どうしたら実現できるか、自分ならどんな協力ができそうか、といった前に進めるためのディスカッションを行っています。

かおりさんの発表を聞いて、チガラボ開催者の方からイベントを開かないか?と声をかけてもらったことがきっかけだったそうです。会場を貸してくれる方以外にも、かおりさんの想いに共感してイベントの企画から運営まで関わってくださった方ともここで出会ったそうです。

みみここカフェの第1回目が2020年10月なので、このチガラボチャレンジから約半年後に実現できたわけですね。


続けたことで得られた気づきや変化は?

「みみここカフェ」は3年間で計15回開催されました。
(各回の詳細レポートはコチラ

「継続は力なり」といいますが、続けたことで得られた気づきや変化があったか、質問してみました。

その答えは『参加者の変化を通して自信に繋がった』ということでした。というのも、参加者のある難聴の方が「みみここカフェ」をきっかけにどんどん変化していく姿を見ることができたからだそうです。その方は初めて参加したときは、補聴器を使っていても、友達や家族の会話にうまく入っていくことができず、聴こえたふりをしてその場を誤魔化していました。無意識のうちに、うまく聴こえないと伝えることを遠慮していたのかもしれません。
ですが、みみここカフェの対話で自らについて開示したり、コミュニケーションに便利なツールを知ることで、最終的には補聴器をいっそのこと外してしまい、「自分は耳が聴こえにくいのでメモで会話してください」と相手に伝え、不必要に遠慮したりせず、自分らしいコミュニケーションの仕方で人生を楽しむようになっていったそうです。

自己開示し、対話の中で自己理解を重ねて言語化し、自分らしくいられるコミュニケーションの選択肢をもつ。この変化こそ、4Heartsが目指しているもので、『自分たちがやっていることは間違っていない』と自信に繋がったということでした。

第15回みみここカフェの様子。
「補聴器をつけるのをやめたの!」と話すのは参加者の由美さん(左列真ん中)

”自分で自分を障害者にしてしまう”呪縛から解放されるために。

前述のとある参加者の方の変化を通して、代表のかおりさんは改めて実感したことがあったそうです。
それは、誰しも、無意識に”自分で自分を障害者にしてしまう”ということ。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、例えばこの参加者の方の場合だと、家族との間のコミュニケーションも、”面倒くさいと思われたくない”と思いから無意識に遠慮してしまっていたようなことですね。

かおりさんは続けて、「この”自分で自分を障害者にしてしまう”呪縛から解放されるためには、プロセスが必要。これをしたら変わる、とかそんなに簡単に変わるものではない。」と語りました。

この”プロセス”は一人ひとり違うはずですが、共通しているのはきっと、当事者自身(ここでいう当事者は聴覚障害に限らず、コミュニケーションに悩みを持っている誰しもですね。)も変わりたいという気持ちを持つことなんだろうな、とかおりさんたちの話を聞きながら感じました。
そして当事者だけでなく、当事者を囲む環境、つまり社会も変わっていく必要がある。だから4Heartsはまちづくりもやりたいんだろうなと理解が深まっていきました。


4Heartsはどうやって人を惹きつけ、協力者を巻き込み続けられるのか?

最後に、sakakinが4Heartsの活動で日々疑問に思っていることを聞いてみました。「なんでそんなに色んな人を惹きつけ、協力者を巻き込み続けられるの?」と。みみここカフェの開催にあたっても、チガラボチャレンジをきっかけにサポートしてくれる人が見つかり、そしてその人たちとは今でも繋がっています。これに限らず毎週のミーティングで「来週**の**さんに会う」など、えっどこでいつ繋がったの?という報告が多く毎度驚かされています。(笑)

この質問は私だけでなく、最近色々な人に聞かれるそうで、かおりさんなりに考えた答えは「強く願えば叶うと信じているから」だそう。
なるほど、強く願っているからこそ、誰かに想いを伝えたり、圧倒的な行動力に繋がって、そのパワーに惹かれて”応援したい!”と思う人たちにめぐり逢えるんだろうなと。
それこそ「こんな大きな夢、叶わないかも、、、私には無理かも、、」と”自分自身を呪縛”してしまえばそこで終わってしまう。だから呪縛を解く必要がある。そのためには強く願うことが重要なんだ、と理解できました。
何かを成し遂げるためにはお金やテクニックだけでなく、ベースにある強い思いが重要なんだ、と学びになるインタビューとなりました。


読んでくださった方に、少しでも4Heartsについてどんな団体なのか興味を持っていただけていれば幸いです。
次回の記事では、一般社団法人4Heartsの名前の由来をお送りします。
その間にプロボノ仲間のぐっちさんやりょうさんの記事もぜひお楽しみください。

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