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医療ソーシャルワーカーの歴史と業務指針 社会福祉士国家試験対策 保健医療サービスNO.12

医療ソーシャルワークは、イギリスで始まり、アメリカにおいて発達をしました。

日本では、戦後のGHQが保健所を中心にして、医療ソーシャルワークの手法を取り入れています。日本は、当時、結核とか、性病とか、公衆衛生の立場から、医療ソーシャルワーカー(MSW)が発展をしてきたという経緯があります。

医療ソーシャルワーカーって何?と思われている方がいるかもしれません。

医療ソーシャルワーカーは、病院、診療所、介護老人保健施設、精神障害者社会復帰施設、保健所、精神保健福祉センター等に配置されている専門職になります。


1.医療ソーシャルワーカーの歴史

(1)外国の医療ソーシャルワーカーの歴史

まずはイギリスの歴史を扱います。

最初に医療ソーシャルワークが始まったのはイギリスだと言われています。
1895年当時、イギリスには、ロンドン王立施療病院(ロイヤル・フリー・ホスピタル)という病院がありました。
当時、病院の外来では、貧困の患者が溢れかえっていました。

*確かに、1886年には、ブースがロンドンで貧困調査をしていて、労働者の約3割が貧困線以下の生活にあることを明らかにしていました。貧困で健康を維持するのに必要な生活を送れず、病気になる人も多数いたことが推測できます。

病院では、入院施設が少なく、貧困の患者に対する治療にも限界があったわけです。
このような状況を知ったチャールズ・ロック卿(ロンドンの慈善組織協会:COSの総領事であった。)は、思ったんですね。
何を思ったのかと言いますと、この溢れかえる貧困患者の選別を組織的にする必要があるのではないかと。
つまり、組織的に、治療が必要な患者とそうでもない患者を選別して、その上で、本当に治療が必要な患者に治療をしてもらおうとしたわけです。
そのためには、患者を選別する人が必要だと。この選別自体は、専門的な知識や経験が必要なので、そういう役人の必要性を認識したわけです(当時、この役人は、アーモナーと呼ばれていました。)。
そこで、1895年に、チャールズ・ロック卿は、慈善組織協会の書記をしていたメアリー・スチューアート(女性)に対し、ロンドン王立施療病院(ロイヤル・フリー・ホスピタル)のアーモナーになってもらい、相談援助活動を指示しました。
これが、医療ソーシャルワーカーの始まりだと言われています。

1895年に、メアリー・スチューアートがMSWの1号になったことの覚え方
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