ペンギンのサドンデス
通勤電車でインスタグラムのリールを眺めていると、ペンギンの群れがよちよちと歩く動画が流れてきた。
ペンギンが特別に好きということはないが、可愛らしいとは思う。
ただ歩くだけの動画も不思議と見ていられるし、たまにうつ伏せで滑っているのがいると、つい目で追ってしまう。
ちなみにペンギンがお腹で氷上を滑る行為をトボガンというらしいが、そんなことはどうでもよい。
世の中にこんなにもグッズが溢れていることを考えても、大多数の人がペンギンに好意的な気持ちを抱いているのは、疑いようのない事実だろう。
なぜペンギンが世界中で、こんなにも愛されているのか。
今回はそんな疑問については割愛をさせていただこうと思う。
白黒だからか、足が短いからか、首が無いからということにしておく。
では、この記事ではペンギンの何について書くのか。
それは私がペンギンを見ると、いつもふと考えてしまうこと。
つまり、「彼らは自分の身長と同じぐらいの穴に落ちたらどうなってしまうのか」ということだ。
もし鳩が穴に落ちたら?
問題ない。飛んでしまえばよい。
もし柴犬が穴に落ちたら?
問題ない。ジャンプして出てこれるだろう。
もし人間が穴に落ちたら?
これも問題ない。腕の力で体を持ち上げて足を引っかければよい。
※魚が穴に落ちた場合は割愛する。
どうせ平らな場所でも跳ね回るだけで何もできないだろう。
では、ペンギンが穴に落ちたらどうなってしまうのかを想像してみてほしい。
彼らは鳥類でありながら飛ぶことができない。
あの短い脚ではジャンプ力もたかが知れている。
腕の力で体を持ち上げることも難しいだろう。
そもそもあれは腕と呼ぶには平べったすぎる。
ここまで言えばさすがに理解いただけるだろう、まさに絶体絶命である。
南極の地面は決して平坦ではないだろう。
ペンギンたちの身長を超える裂け目が、そこらじゅうにあるだろう。
シャチやアザラシなどの天敵だけでなく、ちょっとした地形でさえ即死の脅威になるなんて、あんまりではないか。
雑貨屋やスマートフォンなど、ふとした瞬間にペンギンやそれを模したグッズが自然と目に入ってくる。
そんなとき私は、愛くるしいルックスで、過酷な環境を生き抜いている彼らに思いを馳せずにはいられないのだ。
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