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酒井商会に関わる全ての方々に、「縁を結んでよかった」と思ってもらえるように【酒井商会で働く #01】

渋谷にて『酒井商会』、恵比寿にて『創和堂』を営む酒井商会では、様々な個性をもつスタッフが働いています。連載「酒井商会で働く」では、それぞれのスタッフが、どんな想いをもって酒井商会で働いているかを語っていきます。今回は、酒井商会で働くメンバーのなかで最古参である濵田 皓太(はまだ こうた)です。

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いつもお店にお越しいただいている方も、​はじめましての方も、ご覧いただきありがとうございます。濵田皓太と申します。

私が酒井商会で働きはじめたのは2018年6月。酒井商会のオープンが同年4月ですので、ほぼ開店当初から働かせてもらっています。入社以来、渋谷の酒井商会で働いてきましたが、2022年3月より創和堂へと移り、7月から創和堂の店長を務めております。

酒井商会で働く以前

酒井商会で働く以前は、都立大学にある海鮮系の居酒屋で、店長を約6年間つとめていました。

もともと高校生の頃から飲食店でアルバイトをしていて、大学生になってからもバイト先は飲食店の接客ばかり。お客様と直に接し、料理やお酒で喜んでいただくこの仕事が、自分の性に合っていると感じていました。

大学卒業後は普通に会社で働くことも考えたのですが、当時働いていたバイト先の店長が飲食店を経営する会社を立ち上げることになり、社員として誘ってくださりました。尊敬している方であり、飲食店で働く楽しさも感じていたので、お世話になることを決めました。その会社の経営しているお店のひとつが、店長として私が働いていた居酒屋です。

就職と同時に、店長に就任することになったのですが、店舗における社員は当時私ひとり。売上管理・メニュー開発・採用などの店長業務はもちろん、スタッフが足りない時はホールからキッチンまで何でもやっていました。

お店全体の数字も、料理やサービスの品質も、自分が責任をもって追求していかないといけない。店長というポジションを任されるなかで、ゼロから全て勉強していきました。

ただ、働きはじめて数年経つと、自分なりにやり方を掴んできて、売上などの数字にもそれが表れるようになっていきました。お客さまにも恵まれ、お客さまから多くのことを教わりました。大変なこともたくさんありましたが、スタッフのみんなとお客さまのおかげで、お店を育てる醍醐味を味わうことのできた6年間でした。

(▲)前職時代の私です


酒井商会で働くことになった経緯

そんな私が酒井商会で働くことになる最初のきっかけは、ある居酒屋との出会いです。前職で働きはじめて6年目の時に、知人の誘いで足を運んだのですが、何もかもが衝撃でした。同じ居酒屋といえども、自分の働いている居酒屋とはかけ離れている。料理も接客も洗練されていて、憧れに近い感情をもちました。

ちょうどその頃、接客業に対する知見を広げるために、新しい環境に身を投じたほうがいいのではないかと思いはじめていました。そういう時期に自分の全く知らない世界と出会ったので、その気持ちが一層強くなりました。

運命的だったのが、そのタイミングで酒井から「今後、自分の店を立ち上げることにしたので、一緒に働かないか」と連絡をもらったことです。

私と酒井の出会いは、そこから遡ること3年ほど前。出会いは、学芸大学にある20代の飲食関係者の集まりでした。とあるお店を溜まり場にしていて、必ず誰かが日替わりで飲んでいました。その輪の中に、みんなのお兄ちゃんのような存在として酒井がいて、親しくさせてもらっていました。

(▲)当時の集まりでの一枚。写真左が酒井

出会った当時の酒井はゼットンで働いていましたが、『並木橋なかむら』で働くことが決まり、最後に会った時に「数年後に独立する時は声をかけるから」と言ってくれました。私は「是非お願いします」と調子良く答えていたんですが、酒の席の冗談だと思い、その会話をすっかり忘れていました。そのため、連絡をもらった時は驚きました。

久しぶりに酒井に会い、詳しく話を聞かせてもらいました。当時は内装もまだ図面の段階だったので、酒井がどんな店をやりたいのかという話がメインだったと思います。『並木橋なかむら』で酒井が学んだことや、自然派ワインや燗酒の魅力などを聞かせてもらって、興味がどんどん刺激されました。

これまでとは違う居酒屋の業態で経験が積めること。店づくりに立ち上げ当初から関わらせてもらえること。何よりも、私自身が忘れてしまっていた約束を覚えてくれていて、声をかけてくれたこと。こうした積み重ねの結果、酒井商会で働くことに決めました。


酒井商会で働きはじめて感じたこと

酒井商会で働きはじめて真っ先に感じたことは、酒井のきめ細やかさです。

料理や接客はもちろんのこと、料理を盛る器にしても、ドリンクのコースターにしても、全てにこだわりがあって意味がある。そのきめ細やかさに驚きました。

当然ですが、こだわりをもつには、それぞれの分野への深い知識が必要で、酒井はものすごく勉強をしています。食材をつくる生産者さんとも、酒屋さんや酒蔵の方々とも、器のギャラリーや作家さんとも関係を築いていて、どの分野に対しても想いが強い。

それまで居酒屋で店長として働いてきて、それなりに売り上げを増やすことにも成功していたので、根拠のない自信を身につけていましたが、完全にへし折られました。貪欲に学び続ける酒井の姿を目の当たりにして、自分がいかに低レベルだったかを痛感しました。

酒井と同じくらいのレベルで、酒井商会が大切にしているこだわりを、自分の言葉でお客さまに伝えられるようになりたい。当時、社員は酒井と私しかいなかったので、毎日の営業で手一杯なところもありましたが、空いている時間で酒井から教えてもらったり、自分で勉強するようになりました。

そんな私が酒井商会で働きはじめて初めて自信をもつことができたのが、2019年10月に開催された『大江戸日本酒まつり』というイベントです。神田で毎年開催されるこのイベントは、酒蔵と飲食店がペアになって出展するのですが、オープンして2年目の酒井商店も参加させていただくことになり、私が窓口を担当させてもらいました。

出店する方々はどこも雑誌に載るような有名なところばかりで、気後れする気持ちが最初はありました。ただ、酒井に助けられながらではありますが、自分の言葉でお酒や料理について語ることができ、多くの来場者の方々に喜んでいただくことができたと感じました。現在、私は酒井商会で日本酒も担当させてもらっていますが、今振り返ってみても、この時の経験は大きかったと思います。

(▲)『大江戸日本酒まつり』での一枚


働くなかで特に意識していること

酒井商会で働きはじめて、もうすぐ4年が経ちますが、働くなかで特に意識していることがふたつあります。

ひとつは、期待を上回る価値を届けること。

酒井商会や創和堂にいけば、おいしい料理やお酒が楽しめるんじゃないか。気持ちのいい時間を過ごせるのではないか。こうした期待をもって、お客さまは酒井商会や創和堂にわざわざ足を運んでくださります。その期待をどうやって上回るか。それを常に意識するようにしています。

これはお客さまだけでなく、酒井商会がお付き合いさせていただいている全てのパートナーの方々にも当てはまります。例えば、食材の生産者さん、酒屋さんや酒蔵さん、器の作家さん。パートナーの方々から「酒井商会と付き合ってよかった」と言われるようになりたいと思い、どうやったら喜んでいただけるのかと考えるようにしています。

酒井がよく言うのは「魂は細部に宿る」。細かいこだわりや努力の積み重ねが、感動を生むということです。スタッフ一人ひとりが向上心をもって、期待を上回る価値は何かと探求し続けていく。これが酒井商会らしさではないかと、私は思います。

もうひとつは、酒井商会のなかで潤滑油のような存在となること。

現在、酒井商会では採用を積極的に行っていて、新しいメンバーが増えています。以前は酒井が一人ひとりのメンバーに自分の考えを細かく伝えることができていましたが、人数が増えるとそうもいかなくなります。酒井の近くで働かせてもらってきた私が、酒井商会が大切にしていることをしっかりと伝える役割を担っていきたいです。

その裏には、酒井商会で働くことを選んでくれた人たちの期待に応えていきたいという想いがあります。接客の本質は何かというと、目の前にいる人たちとの関係を育んでいくことです。それは、お客さまやパートナーの方々だけでなく、一緒に働くスタッフに対しても同様です。

2022年7月からは創和堂の店長も務めます。より高い意識で、お客様とも、スタッフとも、向き合っていきたいと思います。

酒井商会と縁を結んでよかった。酒井商会と関わる全ての方々に、そう心から思っていただけるよう、これからも努めていきたいと思います。

<編集協力:井手桂司>

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