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【作ってみよう!】でかプリン・抹茶味

 世間には「バケツプリン」なるものが存在する。
 けど、買うと高い。
 なので、コストパフォーマンスを重視してみた結果、こう考えた。
「そうだ、業務用スーパーでプリンの素を買って、自分で作ろう!」

 ところがいざ購入してみると、値段が思いのほか高かった……
 バケツプリンはおよそ1500円。
 業務用スーパーにあったプリンの素は、2500円。
 しかし、わたしは脳内で高速に損得勘定をはじきだした。
「こっちのプリンの素なら、もっとたくさん作れる。バケツプリン3回か4回分くらいの分量がある!」
 結果として、もし4回に分けて作れば、一食につき600円程度で済む計算に。
 おお、バケツプリンを買うより半額程度におさまるではないか。

 せっかくなので、抹茶味が好きなわたしは抹茶プリンにしてみたかったが、目の前にあるのは通常プリンの素のみ。
「なるほど。抹茶味がなければ、抹茶を買えばよかろうなのだ」
 少し材料費がかさんだけれど、それでもコストパフォーマンスは良いはずだ。
 むしろ、作るたびに味を変えられる分だけ、お得ではなかろうか。

抹茶降臨

 ボウルへ抹茶を好きなだけあける。
 正解となる分量は謎につつまれているが、抹茶味が好きなわたしなので、たっぷり入れておけば自動的に問題解決だ。
 さて、いよいよプリンの素・降臨となるわけだが……。
 一袋で50個分のプリンが作れるらしい。
「12個分くらいあれば、充分に巨大プリンになるかな」
 そう考えて、大雑把に4分の1ほどを、どさっと入れた。

分量なんか知らん

 袋の裏の作り方には「熱湯2リットル」とあるので、ここは500mlをそそいでおく。
 さらに50度くらいの牛乳が1リットルということで、4で割って250mlを投入。
 2分間、よく書きませてから、ボウルごと冷蔵庫へ。
 冷やし固めるのに必要な時間がどこにも書いてなかったので、
「まあいいや、明日になれば、いやでも固まっているよね」
 ああ、次の日が楽しみでならない……!

入念にかき回すぞ!

 ボウルの中身は、見事に緑色のぷよんぷよんした物体が満たされ固まっていた。
 これをそのまま食べてもいいんだけど、それでは味気ない。
 そーっと崩れないよう、慎重に端っこを剥がして、巨大な皿をボウルの上にかぶせる。
 時は至れり。
 合体したボウルと皿を上下反転。
 とんとん、とボウルの底面を叩くと、内部で何かしらの手応えがあった。
 見事、ボウルから離れて、お皿に着地してくれたのだ。

「嗚呼……端っこが、少し割れちゃった……」
 でも大丈夫。
 味には影響しないので。
「なんか、重力に負け気味な気もする……」
 でも大丈夫。
 味には影響しないので。(水分の分量が、ちょい多かったかもしれん……)

 てっぺんが、なんだか青カビっぽく見えなくもないが、まぎぎれもなく抹茶だ。
 冷やし固めている間に、抹茶の粉が沈澱したらしいので、これは不可抗力と見做すしかありまい。

完成・でかプリン抹茶味!

 この巨大なプリンを独り占めできる幸せ……。
 プリンは、宇宙の真理である。
 桃の次くらいに、高次元の崇高な存在である。

「嗚呼……この巨大プリンを、あと3回も作って堪能できるんだなあ。幸せ……」
 ただ、これだけのものを食したのだ、体重計にだけは近寄らないでおこうと、ひそかに決意を固めた。

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