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【ハノイ】ベトナムその6 ベトナムのつけ麺と、たまごコーヒー

 ベトナム最後の夜を、美味しいご飯でわいわい過ごす。

〔ブン・チャー〕というのは、ベトナムのつけ麺みたいなもの。
 当然のように、麺は米粉。

 夕方、Yさん達とわいわいおしゃべりしながら、夕食へ向かう。
 時に細い路地を通り抜けたり、あちこちぐねぐね曲がったり、ついに辿り着いた先は、とても庶民的で安い感じの、小さな食堂だった。
 変に小綺麗な店より、こういうところこそ大好き。
 人によっては「衛生的じゃない」と嫌うかもしれないけどね。

 昔話で盛り上がりながらも、Yさんの方で手慣れた感じで注文してくれる。

ブン・チャー

 出てきた〔ブン・チャー〕は、フォーと同様に澄んでヘルシーな魚醤ベースの汁に、肉団子がぷかぷか浮いている。
 油っけは、あまりない。
 こういう料理が多いから、ベトナム人女性はスリムな人が多いんだろうな……。

 ちな、うちの実家のおかんは、職場で仲良くなったベトナム人の友人が多いらしく、たまにベトナム料理をつくってもらって食べることがあるらしい。
「こないだ、バンチュン(笹巻き)青豆粉を作ってきてくれて美味しかった。お正月にたくさん作って食べるんだって。私はベトナムの料理は中国料理より食べやすい」
 というようなことを言っていたっけ。

 さて、ブン・チャー。
 付き合わせのパクチーとか、テーブルに用意してある各種調味料で好きな感じに味を整える。
 わたしはやっぱり、唐辛子を多めに浮かべたい。

 ブン(米粉の麺)をそこへひたしては、啜る、啜る、啜る。
 途中、揚げ春巻きのようなものも出てきた。
 これもブン・チャーに含まれるっぽい。
 これは、ハノイなどの北部で「ネム・ザン」と呼ばれているものらしい。

 ザルに持ってあるレタスもつまんで、汁へひたしては、ばりぼり食べる食べる。

妙にてんこもりのブン(米粉の麺)

 まんぷくになったところで、お店を出て、夜風に吹かれながら、ゆっくりYさん宅へ戻るが、
たまごコーヒーの店があるんだけど、飲んでみる?」
 という話になった。
 たまごとコーヒー。
 妙な取り合わせなので、好奇心が刺激される。

 少し入り組んだ住宅街を抜けた、そのどんづまりに、カフェはあった。
 内装は、ちょっとお洒落風な、バーともカフェともつかない雰囲気。

カフェ

 メニューにはいろいろとあったけれど、普通のベトナムコーヒーよりも、話題にでたエッグコーヒーを選択する。
 出てきたカップをみると、下が褐色で、上が白いクリーム。
 ガラスなので、上下二層に分かれているのがよく見える。

エッグ・コーヒー

 すぐに混ぜてもいいけれど、味変が好きなわたしは、そのまま口をつける。
 まずは、濃厚な卵黄クリームが舌を満たす。
「なんか、プリンみたい」
 さらにカップを傾けると、下の層のコーヒーがクリームを割って口へ流れ込む。
 甘味が効いているものの、とてもビターで、力強い味わい。

 上のクリームは、卵黄と練乳をホイップしたものらしい。
 そりゃ、プリンっぽい舌触りと味わいになるわけだよね。

 最後には、ゆったりかき混ぜて、上下が融合した状態で飲み干す。

 カフェでまったりすごし、会話も途切れることはなく、やがて夜の9時。
 さすがに、そろそろ支度をして空港へ向かわないといけない。
 本来は、この2〜3倍の日数が欲しかったなと思いつつも、忘れられないようなベトナム最後の夜をゆったりと過ごし、後ろ髪をひかれる思いで、さよならを告げた。

 空港での行列にて。
 舌でくちびるの上を舐めてみると、ほんのわずか、エッグコーヒーの名残りを味わえた。
 ばいばい、ベトナム。

ノイバイ空港
機内食は、お粥 お味噌汁はシジミの出汁がよく効いてた

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